生々せいせい)” の例文
今いっそう詳しくこれを案じてみるに、お鈴は辛酉は総じて種子であって樹木の生々せいせいを意味するから四緑の柘榴木とすべて木で出ている。
もし短いあいだの無事ばかり祈って、その怒りをやたらに抑えてゆくと、土壌は去勢きょせいされて、万物を生々せいせいと繁茂させる力を失う。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生々せいせい又生々。営々えいえいかつ営々。何処どこを向いてもすさまじい自然の活気かっき威圧いあつされる。田圃たんぼには泥声だみごえあげてかわずが「めよえん」とわめく。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
第四条 身体を大切にし健康を保つは、人間生々せいせいの道に欠く可らざるの要務なり。常に心身を快活にして、かりそめにも健康を害するの不養生を戒むし。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
漢の明帝のとき、仏法はじめて入る。生々せいせいの類、識神しきしん不滅の説を聞き、もって怪異奇僻きへきとなす。ことに知らず。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
永遠に製作し活動する生々せいせいの力が
生々せいせい久遠くおんの美と光をもつ日輪のまえに、悩むこと、惑うこと、苦しむこと、何一つ、価値があると思えるものはない。——笑いたくさえなる。
およそ日本国に生々せいせいする臣民は、男女老少を問はず、万世一系の帝室を奉戴ほうたいして、其恩徳を仰がざるものあるべからず。此一事は、満天下何人なんびとうたがいれざる所なり。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
... 生々せいせいの類、三世神識常に滅せず。およそ善悪をなせば、必ず報応あり。ようやく勝業を積みて、粗鄙そひを陶冶し、無数の形を経て、神明を澡錬そうれんし、すなわち無生に至りて、仏道を得」と
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
天の人を生ずるや男女同数にして、この人類はもと一対の夫婦より繁殖したるものなれば、生々せいせいの起原に訴うるも、今の人口の割合に問うも、多妻多男は許すべからず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
生々せいせいとした朝の町に、彼の顔だけが暗かった。力も、目標もない足つきだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我輩ももとより重んずる所のものなりといえども、世界開闢生々せいせいの順序においても、先ず夫婦を成して然る後に親子あることなれば、孝徳は第二に起こりたるものにして
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
本来、社会生々せいせいもとは夫婦にあり。夫婦のりんみだれずして、親子のしんあり、兄弟姉妹の友愛あり。すなわち人間の家(ホーム)を成すものにして、これを私徳の美という。
読倫理教科書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
独立の品行、まことにみすべしといえども、おのずからその限りあるものにして、限界を超えて独立せんとするも、人間生々せいせいの中にありて決して行わるべきことに非ず。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
即ち居家きょかの道徳なれども、人間生々せいせいの約束は一家族にとどまらず、子々孫々次第に繁殖すれば、その起源は一対の夫婦にいずるといえども、幾百千年をるの間には遂に一国一社会を成すに至るべし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
肥料の一品を加減して草木の生々せいせいを自在にせんとする者に異ならず。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)