“久遠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くおん77.8%
くをん22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この五百年の間に皮相な慾望で塗り籠められた人間の久遠くおんの本能慾が、どうして鬱積せずにいるものぞ。それを担って生れたのが自分なのだ。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
生々せいせい久遠くおんの美と光をもつ日輪のまえに、悩むこと、惑うこと、苦しむこと、何一つ、価値があると思えるものはない。——笑いたくさえなる。
「凡そ事物の久遠くをんに垂るる者は、(中略)切実のたいあるを要す」(芥舟学画編かいしうがくぐわへん)とは、文芸の上にも確論だと思ふ。(十月六日)
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
久遠くをんのむかしに、天竺てんぢくの国にひとりの若い修行しゆぎやう僧が居り、野にいでて、感ずるところありてそのせいもらしつ、その精草の葉にかかれり。などといふやうなことが書いてあつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)