トップ
>
晴々
>
せいせい
ふりがな文庫
“
晴々
(
せいせい
)” の例文
今日は気も
晴々
(
せいせい
)
として、散歩には
誂
(
あつら
)
え向きというよい天気ですなア。お
父様
(
とッさま
)
は先刻どこへかお出かけでしたな。といつもの調子軽し。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
鼠色
(
ねずみいろ
)
の空はどんよりとして、流るる雲も
何
(
なん
)
にもない。なかなか気が
晴々
(
せいせい
)
しないから、
一層
(
いっそ
)
海端
(
うみばた
)
へ行って見ようと思って、さて、ぶらぶら。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
造りたての
平庭
(
ひらにわ
)
を見渡しながら、
晴々
(
せいせい
)
した顔つきで、叔母と二言三言、自分の考案になった
樹
(
き
)
や石の配置について批評しあった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから少しばかりの薬を与えて「これをのむと非常に気分が
晴々
(
せいせい
)
するからお飲みなさい。それから朝晩
観音様
(
かんのんさま
)
へ
参詣
(
さんけい
)
なさい」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
腹
(
はら
)
に
在
(
あ
)
るだけのことをいはして
畢
(
しま
)
へば
彼等
(
かれら
)
はそれだけ
心
(
こゝろ
)
が
晴々
(
せいせい
)
として
勢
(
いきほひ
)
が
段々
(
だん/\
)
鈍
(
にぶ
)
つて
來
(
く
)
るので、
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
は
機嫌
(
きげん
)
もとつて
見
(
み
)
て
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
染めぬいた紺の絣に友禅の帯などを惜しげもなくしめてきりっと締まった、あの姿で手のさえるような仕事ぶり、ほんとに見ていても気が
晴々
(
せいせい
)
する。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「
手前
(
てめえ
)
のような能なしを飼っておくより、猫の子を飼っておく方が、はるかに
優
(
まし
)
だ。」とか、「さっさと出て行ってくれ、そうすれば己も
晴々
(
せいせい
)
する。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
紅矢は馬が走れば走る程、気持ちがだんだん
晴々
(
せいせい
)
して来るようですから、なおも構わずに走らせていますと、その
中
(
うち
)
に夜が明け離れて、向うに遠く白く光るものが見えて来ました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
済
(
す
)
んだ事は、もう
已
(
や
)
めやう。佐々木も
昨夜
(
ゆふべ
)
悉く
詫
(
あや
)
まつて仕舞つたから、
今日
(
けふ
)
あたりは又
晴々
(
せいせい
)
して例の如く飛んで
歩
(
ある
)
いてるだらう。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
四五日振りの湯上りで
晴々
(
せいせい
)
して、
戸外
(
おもて
)
へ出るのが嬉しくって、気が
急
(
せ
)
いたものらしかった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「罰など
中
(
あた
)
っても構わない。こんなラサのような所に生れて来ない方がありがたいのだ。実に気が
晴々
(
せいせい
)
した。ラサに居る悪魔共が俺に
罰
(
ばち
)
を
中
(
あ
)
てることが出来れば気が
利
(
き
)
いてる」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
お庄は久しぶりで、こんな
晴々
(
せいせい
)
したところを見ることが出来た。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
であるからして自分が
唐詩選
(
とうしせん
)
でも
高声
(
こうせい
)
に吟じたら気分が
晴々
(
せいせい
)
してよかろうと思う時ですら、もし自分のように迷惑がる人が隣家に住んでおって
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
足許だけぼんやり見える、
黄昏
(
たそがれ
)
の
木
(
こ
)
の
下闇
(
したやみ
)
を下り懸けた、暗さは暗いが、気は
晴々
(
せいせい
)
する。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
佐々木も昨夜ことごとくあやまってしまったから、きょうあたりはまた
晴々
(
せいせい
)
して例のごとく飛んで歩いているだろう。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると、いつの
間
(
ま
)
にか心が
晴々
(
せいせい
)
して今までの心配も苦労も何もかも忘れて、生れ変ったような心持になる。女性の影響というものは実に
莫大
(
ばくだい
)
なものだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
向
(
むこう
)
で引き
摺
(
ず
)
り出してくれたのだから、中途で動けなくなった
間怠
(
まだる
)
さのない代りには、やっとの思いで井戸を掘り抜いた時の
晴々
(
せいせい
)
した心持も知らなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分はとうとうしまいまで
一言
(
いちごん
)
も云わずに兄の言葉を聞くだけ聞いていた。そうしてそれほど疑ぐるならいっそ
嫂
(
あによめ
)
を離別したら、
晴々
(
せいせい
)
して好かろうにと考えたりした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この際はそれよりも窮屈な人間を通り抜けて
晴々
(
せいせい
)
したと云う意識の方が一度に余の頭を照らした。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は笑いながら、両手で寐起の顔を
撫
(
な
)
でた。そうして風呂場へ顔を洗いに行った。頭を
濡
(
ぬ
)
らして、縁側まで帰って来て、庭を眺めていると、前よりは気分が大分
晴々
(
せいせい
)
した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
病院へ顔を出す前ちょっと
綺麗
(
きれい
)
になっておきたい考えのあった彼女は、そこでずいぶん
念入
(
ねんいり
)
に時間を費やした
後
(
あと
)
、
晴々
(
せいせい
)
した好い心持を湯上りの
光沢
(
つやつや
)
しい
皮膚
(
はだ
)
に包みながら帰って来ると
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
湯から上ったら始めて
暖
(
あ
)
ったかになった。
晴々
(
せいせい
)
して、
家
(
うち
)
へ帰って書斎に這入ると、
洋灯
(
ランプ
)
が
点
(
つ
)
いて
窓掛
(
まどかけ
)
が下りている。火鉢には新しい
切炭
(
きりずみ
)
が
活
(
い
)
けてある。自分は
座布団
(
ざぶとん
)
の上にどっかりと坐った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余はその時に心からうれしく感じた。世の中にこんな
洒落
(
しゃらく
)
な人があって、こんな洒落に、人を取り扱ってくれたかと思うと、何となく気分が
晴々
(
せいせい
)
した。
禅
(
ぜん
)
を心得ていたからと云う訳ではない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ちっと旅行でもなすったらどうです。少しは
晴々
(
せいせい
)
するかも知れません」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども、音も響もない車輪が美くしく動いて、意識に乏しい自分を、半睡の状態で宙に運んで行く有様が愉快であった。青山の
家
(
うち
)
へ着く時分には、起きた頃とは違って、気色が余程
晴々
(
せいせい
)
して来た。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ああ
晴々
(
せいせい
)
して
好
(
い
)
い心持だ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“晴々”の解説
「晴々」(はればれ)は、コブクロの6作目の配信限定シングル。2018年9月17日にワーナーミュージック・ジャパンから発売された。
(出典:Wikipedia)
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
々
3画
“晴”で始まる語句
晴
晴衣
晴天
晴着
晴間
晴朗
晴季
晴渡
晴明
晴夜