“切炭”の読み方と例文
読み方割合
きりずみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前にとこを取り、桐の胴丸がたの火鉢へ切炭きりずみけ、其の上に利休形の鉄瓶がかゝって、チン/\と湯がたぎって居りまする。
熱い蕎麦湯そばゆすすりながら、あかるい洋灯ランプの下で、ぎ立ての切炭きりずみのぱちぱち鳴る音に耳を傾けていると、赤い火気かっきが、囲われた灰の中でほのかに揺れている。時々薄青いほのおが炭のまたから出る。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
湯から上ったら始めてったかになった。晴々せいせいして、うちへ帰って書斎に這入ると、洋灯ランプいて窓掛まどかけが下りている。火鉢には新しい切炭きりずみけてある。自分は座布団ざぶとんの上にどっかりと坐った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)