孜々せつせ)” の例文
学年の初めは諸帳簿の綴変とぢかへやら、前年度の調物の残りやらで、雑務が仲々多い。四人はこれといふ話もなく、十二時が打つまでも孜々せつせとそれをつてゐた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
學年の初めは諸帳簿の綴變とぢかへやら、前年度の調べ物の殘りやらで、雜務が仲々多い。四人はこれといふ話もなく、十二時が打つまでも孜々せつせとそれを行つてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
僕は自分でやりますと云つたんですけれど、「そんな事を云ふな、天野朱雲が最後の友情を享けて潔よく行つて呉れ。」と云ひ乍ら、涙を流して僕には背を向けて孜々せつせと握るんです。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
僕は自分でやりますと云つたんですけれど、「そんな事を云ふな、天野朱雲が最後の友情を享けていさぎよく行つて呉れ。」と云ひ乍ら、涙を流して僕には背を向けて孜々せつせと握るんです。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)