“さくらく”の漢字の書き方と例文
語句割合
錯落100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論当時の人間には国籍も住所もさだまっていない。水草を追うて浮動する小部隊が錯落さくらくとして散在した事であろう。今日う所の如き「家」とか「社会」とかいう観念のなかったのは勿論である。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
そうすると写真や魔術の奇怪なる舞台面と、自分の頭のうちたゞよう妄想とが、互いに錯落さくらくし、もつれ合って、事実とも幻像とも付かない、不可思議極まる線状が、瞳の前に暴れ廻るように感ずるのである。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この參差しんし錯落さくらくたる趣ありてこそ、好畫圖とはなるべきなれといふ。