“恠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あや71.4%
あやし28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
別にあやしむ様子もなく、火をつけた線香と、有合う手桶を片手にすたすた井戸の方へ。わたくしは境内を見廻しながらその後について行く。
墓畔の梅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
前に抱へて出てゆく姿は我さへ背後うしろ見らるる心地して、あやにく照れる月影を、隈ある身ぞと除きてゆくあやしの素振り、なかなか人の眼をひきてや、向ふより来し人の
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
この時参詣さんけいに来合せたものは、はじめ何事かとあやしみ、ようよう籤引の意味を知って、皆ひどく感動し、中には泣いているものもある。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
紇はあやしみながらその声をしるべにしてあがって往くと、大きな洞門があって、その前の花の咲き乱れた木の下で、数十人の美女が蝶の舞うように歌い戯れていた。
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)