あや)” の例文
此の家あやしけれど、おのれが親の五〇目かくる男なり。五一心ゆりて雨め給へ。そもいづ旅の御宿やどりとはし給ふ。御見送りせんもかへりて無礼なめげなれば、此のかさもて出で給へといふ。
二七八あやしき軒にかがまりて、生けるここちもせぬを、翁、豊雄にむかひ、つらつら二七九そこのおもてを見るに、此の二八〇隠神かくれがみのために悩まされ給ふが、吾救はずばつひに命をも失ひつべし。
かく二七あやしき所に入らせ給ふぞいとかしこまりたる事。是敷きて奉らんとて、二八円座わらふだきたなげなるを二九清めてまゐらす。三〇霎時しばしむるほどは何かいとふべき。なあわただしくせそとてやすらひぬ。