“下賤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げせん92.5%
げす3.8%
さげす1.9%
ゲセン1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盛綱は、おかしがって語ったが、頼朝は、それは不愍ふびんなことだ、下賤げせんの者をしいたげたと聞えては、頼朝が生涯の汚名おめいというものである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小人数で料理屋に上つて芸者を呼ぶよりは、宴会が結句割徳わりどくの安上りと胸算用むなざんようして出席する下賤げすもあり。しきりに名刺の交換を迫つて他日人の名を利用して事をなさんとする曲者くせものもあり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし当人はいずれにしてもつまりは空々若々くうくうじゃくじゃくである。自分はどういう訳で好かれるのか、またどういう訳で下賤さげすまれるのか、そんな事は更に考えはせぬ。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
尊い女性ニヨシヤウは、下賤ゲセンな人と、口をきかぬのが当時の世のオキテである。何よりも、其語は、下ざまには通じぬもの、と考へられてゐた。それでも、此古物語りをする姥には、貴族の語もわかるであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)