下賤げす)” の例文
小人数で料理屋に上つて芸者を呼ぶよりは、宴会が結句割徳わりどくの安上りと胸算用むなざんようして出席する下賤げすもあり。しきりに名刺の交換を迫つて他日人の名を利用して事をなさんとする曲者くせものもあり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
無邪気でそしてまたいかにも下賤げすばったこれら愚民の習慣は、馬鹿囃子ばかばやしにひょっとこの踊またははんもの見たような奉納の絵馬のつたない絵を見るのと同じようにいつも限りなく私の心を慰める。