“賤奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんど66.7%
やつこ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は背が低く、やせて、色を失い、荒々しく、狡猾こうかつで残忍で落ち着かない様子であって、一言にして言えば嫌悪けんおすべき賤奴せんどだった。
かくまでに悩まさるる不幸を恨み、ひるがへりて一点の人情無き賤奴せんどの虐待を憤る胸の内は、前後も覚えずれ乱れてほとほと引裂けんとするなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれ血沼の海といふ。其地そこより𢌞り幸でまして、の國の水門みなとに到りまして、詔りたまはく、「賤奴やつこが手を負ひてや、命すぎなむ」と男健をたけびしてかむあがりましき。
「吾は日の神の御子として、日に向ひて戰ふことふさはず。かれ賤奴やつこが痛手を負ひつ。今よは行き𢌞めぐりて、日を背に負ひて撃たむ」と、ちぎりたまひて、南の方より𢌞り幸でます時に