“せんど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
先途68.5%
先度17.8%
千度2.7%
賤奴2.7%
專途1.4%
先登1.4%
前度1.4%
千弩1.4%
船頭1.4%
賤土1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大きな五つ紋の黒羽織くろばおりに白っぽい鰹魚縞かつおじまはかまをはいて、桟橋の板をほお木下駄きげたで踏み鳴らしながら、ここを先途せんどとわめいていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「暗うて、よう見えへんけど……先度せんど昼来ておそわった事があるよって、どうやらな、底の方の水もせんせんと聞えるのえ。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蹴ったくそわるいさかい、亭主の顔みイみイ、おっさんどないしてくれまんネいうて、千度せんど泣いたると、亭主も弱り目にたたり目で、とうとう俺を背負せたらうて、親父のとこイ連れて行きよった。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
かくまでに悩まさるる不幸を恨み、ひるがへりて一点の人情無き賤奴せんどの虐待を憤る胸の内は、前後も覚えずれ乱れてほとほと引裂けんとするなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
取より早くオヽ合點がつてんと受止つゝ強氣がうき無慚むざんに打合に年は寄ても我慢がまんの九郎兵衞茲に專途せんどと戰へども血氣けつきさかんの曲者に薙立なぎたてられて堪得たまりえず流石の九郎兵衞蹣々よろ/\よろめく處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お花は心得たりと貞宗さだむね短刀たんたうを以て切結きりむすぶに女なれども喜内の妹ゆゑかねて手におぼえも有其上兄のかたきと思ひ一心こめ切立きりたてれば吾助もあなどがたくや思ひけん爰を專途せんどと戰ふ程に友次郎も忠八も手にあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
八五郎を先登せんどに、倅の久太郎お民の夫婦、掛り人の喜八郎まで飛んで行くと、主人峰右衛門の部屋の中は血の海、峰右衛門は喉笛を刺されてこと切れ、内儀のお皆は、肩のあたりを二ヶ所まで斬られ
港八九は成就じょうじゅいたり候得共そうらえども前度せんどことほか入口六ヶ敷候むずかしくそうろうに付増夫ましぶ入而いれて相支候得共あいささえそうらえども至而いたって難題至極ともうし此上は武士之道之心得にも御座候得そうらえば神明へ捧命ほうめい申処もうすところ誓言せいげんすなわち御見分のとおり本意ほんいとげ候事そうろうこと一日千秋の大悦たいえつ拙者せっしゃ本懐ほんかいいたり死後御推察くださるべくそうろう 不具ふぐ
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
たちまち千弩せんどともに発し、弦に応じて数百の胡兵こへいはいっせいに倒れた。間髪かんはつを入れず、浮足立った残りの胡兵に向かって、漢軍前列の持戟者じげきしゃらが襲いかかる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
外浜そとはま船頭せんどさん
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
ちん賤土せんどに育ち、書は余り読まなかったが、人生の何たるやは、この年までにほぼ解したつもりである。もういたずらに歎くをやめよ」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)