賤奴せんど)” の例文
男は背が低く、やせて、色を失い、荒々しく、狡猾こうかつで残忍で落ち着かない様子であって、一言にして言えば嫌悪けんおすべき賤奴せんどだった。
かくまでに悩まさるる不幸を恨み、ひるがへりて一点の人情無き賤奴せんどの虐待を憤る胸の内は、前後も覚えずれ乱れてほとほと引裂けんとするなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)