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先度
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せんど
ふりがな文庫
“
先度
(
せんど
)” の例文
わたくしの友人のTという男——みなさんも御承知でございましょう、
先度
(
せんど
)
の怪談会のときに「木曽の旅人」の話をお聴きに入れた男です。
慈悲心鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「暗うて、よう見えへんけど……
先度
(
せんど
)
昼来ておそわった事があるよって、どうやらな、底の方の水もせんせんと聞えるのえ。」
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
松
(
まつ
)
の
東面
(
とうめん
)
の
方
(
はう
)
に
坑
(
あな
)
を
開
(
ひら
)
かうとして、
草原
(
くさはら
)
を
分
(
わ
)
けて
見
(
み
)
ると、
其所
(
そこ
)
に
掘
(
ほ
)
り
掛
(
か
)
けの
小坑
(
せうかう
)
がある。
先度
(
せんど
)
幻翁
(
げんおう
)
が
試掘
(
しくつ
)
して、
中止
(
ちうし
)
した
處
(
ところ
)
なのだ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
先度
(
せんど
)
、長左衛門さんの方のが売立に出たことがありましたので、久し振りに拝見に出ましたが、どうも同じ図同じ彩色ですが筆味が違うように思いました。
座右第一品
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
あんた、
先度
(
せんど
)
お
出
(
いで
)
やはった時に、わてに口かけときなさりながら、
島原
(
しまばら
)
の
太夫
(
たゆう
)
さん落籍おさせやしたやないか。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
いうてまた、二人で仲好う大阪い
通
(
かよ
)
てた
先度
(
せんど
)
ごろの生活を取り返してみたいような気イもしますねん。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「まさか
先度
(
せんど
)
のような
大暴風雨
(
おおあらし
)
にはなるまいかと思うが、時刻も風の
方向
(
むき
)
もよく似ているでなあ!」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
御淋
(
おさび
)
しゅう御座りましたろう、御不自由で御座りましたろうと
機嫌
(
きげん
)
取りどり
笑顔
(
えがお
)
してまめやかに仕うるにさえ時々は無理難題、
先度
(
せんど
)
も
上田
(
うえだ
)
の
娼妓
(
じょうろ
)
になれと云い
掛
(
かかり
)
しよし。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
カピ長
先度
(
せんど
)
申
(
まう
)
した
通
(
とほ
)
りを
繰返
(
くりかへ
)
すまでゞござる。
何分
(
なにぶん
)
にも
世間
(
せけん
)
知らず、まだ十
四度
(
よど
)
とは
年
(
とし
)
の
變移目
(
かはりめ
)
をば
見
(
み
)
ぬ
女
(
むすめ
)
、せめてもう
二夏
(
ふたなつ
)
の
榮枯
(
わかばおちば
)
を
見
(
み
)
せいでは、
適齡
(
としごろ
)
とも
思
(
おも
)
ひかねます。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先年江戸へ上るとき世話になった
駿河本町
(
するがほんまち
)
二丁目、
旅籠屋
(
はたごや
)
菱屋与右衛門
(
ひしやよえもん
)
方へ
先度
(
せんど
)
の礼かたがた三日程泊り、八月二十四日に京都へ着いて
山科
(
やましな
)
の
三井八郎右衛門
(
みついはちろうえもん
)
の
四季庵
(
しきあん
)
でまた三日ばかり
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
先度
(
せんど
)
の小金井行きとは違って、三人は雨支度の旅すがたで、菅笠、道中合羽、脚絆、草鞋に身を固め、半七はふところに十手を忍ばせていた。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お辰の話
聞
(
きい
)
ては急に
角
(
つの
)
を折ってやさしく夜長の御慰みに玉子湯でもして
上
(
あげ
)
ましょうかと
老人
(
としより
)
の
機嫌
(
きげん
)
を取る気になるぞ、それを
先度
(
せんど
)
も上田の
女衒
(
ぜげん
)
に渡そうとした
人非人
(
にんぴにん
)
め
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それからあのう、
先度
(
せんど
)
のことはみんな自分が
阿呆
(
あほ
)
だしてんよって、誰恨んだり怒ったりすることあれしませんけど、あんたも今更わたしのこと『姉ちゃん』やなんていわんといて頂戴。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたくしも
先度
(
せんど
)
の腹癒せに引っぱたいてやりました。いや、乱暴なわけで……。さすがの半介もぎゅうと参って、とうとう素直に白状しました。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
先度
(
せんど
)
も物に狂うた法師にとらわれて、ほとほと難儀しているところを、お前に救うてもろうたに、今夜もまた……。とりわけて今夜の怖ろしさ、わたしは生きている心地もなかった」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“先度”の意味
《形容動詞》
先度(せんど)
先ほど。先日。この間。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“先”で始まる語句
先
先刻
先方
先生
先達
先鋒
先日
先祖
先途
先手