“せんとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
先登21.1%
銭湯16.9%
先頭15.7%
尖塔14.5%
洗湯9.0%
銭塘6.6%
仙洞4.8%
戦闘2.4%
剪刀1.2%
剪燈1.2%
宣統1.2%
尖頭0.6%
船燈0.6%
剪灯0.6%
尖刀0.6%
戰鬪0.6%
扇頭0.6%
船頭0.6%
銭筩0.6%
閃刀0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多分大勢の人々と一緒であるから心強く思ったことであろう。先登せんとうに立ってつかつかと広間のドアーを開けて薄暗い部屋の中へ進んだ。
怪談綺談 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
けれども、昨夜銭湯せんとうへ行ったとき、八百円の札束をかばんに入れて、洗い場まで持って這入って笑われた記憶については忘れていた。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
でも、左の列の先頭せんとうを飛ぶカクシの姿が見えません。しかも、だれひとり、カクシがどうなったかを知っているものはないのです。
俺だちはその尖塔せんとうを窓から覗きあげた。頂きの近いところに、少し残っている足場が青い澄んだ冬の空に、輪郭りんかくをハッキリ見せていた。
独房 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
雨のことをおしめりとしか言わず、鼻のわきの黒子ほくろに一本長い毛が生えていて、その毛を浹々しょうしょう洗湯せんとうの湯に浮かべて、出入りの誰かれと呵々大笑する。
舞馬 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
南昌なんしょう彭徳孚ほうとくふという秀才があった。色の白い面長な顔をした男であったが、ある時、銭塘せんとうにいる友人を訪ねて行って、昭慶寺しょうけいじという寺へ下宿していた。
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
正治しょうじ百首』によって後鳥羽院の仙洞せんとうに昇殿を許された数々の歌人のうちで、定家は光っていた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
戦闘せんとうあとで、徳蔵とくぞうさんは、あの兵士へいしは、無事ぶじだったかとあるきました。けれど、その姿すがたが、つかりませんでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのテーマを表現すべき「言葉」として花と瓶とが選ばれる。花は剪刀せんとうでカットされた後に空間的モンタージュを受ける。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これは「剪燈せんとう新話」中の一節で、誰も知っている「牡丹燈籠」の怪談の原作である。
宣統せんとう三年九月十四日——すなわち阿Qが搭連を趙白眼に売ってやったその日——真夜中過ぎに一つの大きな黒苫くろとまの船が趙屋敷の河添いの埠頭に著いた。この船は黒暗くらやみの中に揺られて来た。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
何處いづく押流おしながされたかかげかたちもなく、秘密造船所ひみつざうせんじよ一時いちじまつた海水かいすいひたされたとえて、水面すいめんから餘程よほどたか屏風岩べうぶいわ尖頭せんとうにも、みにく海草かいさうのこされて、その海草かいさうからしたゝつる水玉みづたま
實見じつけんはしませんが、御覽ごらんとうり、海面かいめんから餘程よほどたかいあの屏風岩べうぶいわ尖頭せんとうにも、海草かいさう打上うちあげられたほどですから、秘密造船所ひみつざうせんじよ内部ないぶ無論むろん海潮かいてう浸入しんにうのために、大損害だいそんがいかうむつたことでせう
本船ほんせんより射出しやしゆつする船燈せんとうひかりでチラとみとめたのはその船尾せんびしるされてあつた「海蛇丸かいだまる」の三、「海蛇丸かいだまる」とはたしかにかのふね名稱めいしやうである。
じつ不思議ふしぎだ——あの船脚ふなあしはやことは——』と右手ゆんで時辰器じしんき船燈せんとうひかりてらして打眺うちながめつゝ、じつかんがへてるのは本船ほんせん一等運轉手チーフメートである。つゞいて
私の秘蔵の奇談は、前半だけ聞くと、あり来りの講釈種の如く平凡ですが、後半を聞くと、聊斎志異か剪灯せんとう新話にある、一番不思議な話よりも不思議な積りです。
云いつつ馬上から鋭い三尖刀せんとうをさしのべた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悼王たうわうもとよりけんなるをく。いたればすなはしやうとす。((呉起))はふあきらかにしれいつまびらかにし、不急ふきふくわんて、(一〇五)公族こうぞく疏遠そゑんものはいし、もつ戰鬪せんとう撫養ぶやうす。
二筋三筋扇頭せんとうの微風にそよいでほおあたりを往来するところは、慄然ぞっとするほど凄味すごみが有る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ながむれば一せき海賊船かいぞくせん轟然ごうぜんたるひゞき諸共もろともに、船底せんてい微塵みぢんくだけ、潮煙てうゑんんで千尋ちひろ波底はていしづつた、つゞいておこ大紛擾だいふんじやう一艘いつそう船尾せんび逆立さかだ船頭せんとうしづんで、惡魔印あくまじるし海賊旗かいぞくきは、二度にど三度さんど
そもそも、没羽箭ぼつうせん張清の得意とする“つぶて”ほどやっかいな物はない。近づけば左手の閃刀せんとうが片手使いのあしらいを見せ、離れればたちどころに、一かいの小石を発矢はっしと飛ばしてくる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)