先頭せんとう)” の例文
また鎔岩ようがん次第しだい冷却れいきやくしてるとどんな成分せいぶんのものも流動りゆうどうがたくなり、其後そのご固形こけい岩塊がんかい先頭せんとう岩塊がんかいえて前進ぜんしんするのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
でも、左の列の先頭せんとうを飛ぶカクシの姿が見えません。しかも、だれひとり、カクシがどうなったかを知っているものはないのです。
「どうしよう、だれかんでいるじゃないか。」と、先頭せんとうって、んでいた一が、仲間なかままわしていいました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
町の門のまえまできますと、犬がひとかたまりになってかけてきました。みれば、大きな猟犬りょうけん先頭せんとうにたっています。
関翁を先頭せんとうにどや/\入ると、かたばかりのゆか荒莚あらむしろを敷いて、よごれた莫大小めりやすのシャツ一つた二十四五の毬栗頭いがぐりあたまの坊さんが、ちょこなんとすわって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
むらほうから行列ぎょうれつが、しんたのむねをりてました。行列ぎょうれつ先頭せんとうにはくろふくくろ帽子ぼうしをかむった兵士へいし一人ひとりいました。それが海蔵かいぞうさんでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
ふうちに、とびかゝつて、三疋四疋さんびきしひき就中なかんづく先頭せんとうつたのには、停車場ていしやばぢかると、五疋ごひきばかり、前後ぜんごからびかゝつた。しつしつしつ! 畜生ちくしやう畜生ちくしやう畜生ちくしやう
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこで、若者を、先頭せんとうにたてて、出発したのですが、無人島のことですから、道というものがありません。ただ、デコボコの岩が、どこまでもつづいているばかりです。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
れつ先頭せんとう日章旗につしやうき揚々やう/\として肥馬ひままたが将軍しやうぐんたち、色蒼いろざざめつかてた兵士へいしむれ
じいさんはいつものとおりの白衣姿びゃくいすがた藁草履わらぞうりながつえいて先頭せんとうたれたのでした。
なれない人たちには、荒れないような牛を見計みはからって引かせることにして、自分は先頭せんとうに大きい赤白斑あかしろぶち牝牛めうしを引出した。十人の人が引続いて後から来るというような事にはゆかない。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
私はわざと先頭せんとうになって駈けだした。刑事も横合よこあいから泳ぐように力走した。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
母屋からの小径に当たる石燈籠どうろうのかげに隠れて先頭せんとうを待った。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
年雄としおは、鉛筆えんぴつにぎったままで、しばらく、そのれつをながめていました。かれは、いまれつ先頭せんとうってあるいていく、先生せんせい姿すがたにとまったのです。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ニールスは先頭せんとうに立って、お星さまが空にかがやいている間じゅう、その笛を吹きつづけました。そして、ネズミたちも、休まずそのあとを追っていきました。
白皙蒲柳はくせきほりうしつず、越中国えつちうのくに立山たてやまつるぎみねゆきを、先頭せんとうだい四十何人目なんにんめかに手鈎てかぎけた、登山とざんにおいては、江戸えど消防夫ひけしほどの侠勢きほひのある、この博士はかせことばしんずると、成程なるほど
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこまでると、行列ぎょうれつがとまってしまいました。先頭せんとう海蔵かいぞうさんがとまったからです。学校がっこうかえりのちいさい子供こども二人ふたり井戸いどからみずんで、のどをならしながら、うつくしいみずをのんでいました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「さ、フランソア、お前が先頭せんとうだ、行け!」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おおかみが、れをなして、すんでいました。どこへいくにも、先頭せんとうにたつのは、一ぴきのとしとったおおかみでした。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、四方八方から、ニールスめがけてけよりました。ノロ公が、その先頭せんとうに立っていました。
蜂矢は、博士に先頭せんとうをゆずった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
小山先生こやませんせいこそ、いままでおもしていた、やさしい先生せんせいでありました。れつ先頭せんとうになっていく先生せんせいは、たかく、くろ洋服ようふくて、うつむいてあるいていられます。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先頭せんとうはたて、うまにまたがった武士ぶしは、けんたかげ、あとから、あとから軍勢ぐんぜいはつづくのでした。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三ちゃんは、号令ごうれいをかけました。そして、自分じぶんが、いちばん先頭せんとうって、テンテンテ、テンテンテ、トテトテト——と、くちでらっぱのまねをして、威張いばっていきました。
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、先頭せんとうのからすは、にあった野原のはらや、かわや、海浜かいひんや、むらや、まちなどにも注意ちゅういくばらなければなりません。いつ、どんなものが、自分じぶんたちをねらうかわからないからです。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、よるになるとかれらの一ぐんは、しばらく名残なごりしむように、ひくみずうみうえんでいたが、やがて、ケーがんを先頭せんとうきたをさして、目的もくてき到達とうたつすべく出発しゅっぱつしたのであります。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、自分じぶんがそのなかでいちばんおおきなものですから、おうさまのごとく先頭せんとうってみずなかおよいでいました。あとから、その子供こどものように、ちいさな五ひきの金魚きんぎょおよいでいたのです。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふくろうがうたをうたい、かぜのおばあさんがこわれた手風琴てふうきんをならし、きつねを先頭せんとうに、雪女ゆきおんな人魚にんぎょというじゅんに、おもい、おもいに、をふり、からだをまげて、おどったのであります。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのからすが、すこしおくれると、あとのからすがいちばんさきになるというふうに、なんでも、元気げんきのいい敏捷びんしょうなからすが、いちばん先頭せんとうになって、みんなをひきいて、ゆくようにえたのです。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
先頭せんとうには、かわいらしいうさぎが、つぎにおおかみが、そして、徳利とくりったくまが、きつねが、りすが、という順序じゅんじょに、ちょうど、さるが、いわうえた、天上てんじょう行列ぎょうれつそのままであったのです。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
西山にしやまは、先頭せんとうって、草原そうげんほう突進とっしんしました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)