“手鈎”の読み方と例文
読み方割合
てかぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手鈎てかぎ、投げ爪、バラバラこっちの船へ引っかけて、ずぶれになった原士のともがら、手槍を持った一角、竹屋三位卿など、おもてもふらず混み入ってくる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白皙蒲柳はくせきほりうしつず、越中国えつちうのくに立山たてやまつるぎみねゆきを、先頭せんとうだい四十何人目なんにんめかに手鈎てかぎけた、登山とざんにおいては、江戸えど消防夫ひけしほどの侠勢きほひのある、この博士はかせことばしんずると、成程なるほど
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
漁村なるわが町内の晩のおかずに——荒磯に横づけで、ぐわッぐわッと、自棄やけに煙を吐くふねから、手鈎てかぎ崖肋腹がけあばら引摺上ひきずりあげた中から、そのまま跣足はだしで、磯の巌道いわみちを踏んで来たのであった。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)