賤奴やつこ)” の例文
かれ血沼の海といふ。其地そこより𢌞り幸でまして、の國の水門みなとに到りまして、詔りたまはく、「賤奴やつこが手を負ひてや、命すぎなむ」と男健をたけびしてかむあがりましき。
「吾は日の神の御子として、日に向ひて戰ふことふさはず。かれ賤奴やつこが痛手を負ひつ。今よは行き𢌞めぐりて、日を背に負ひて撃たむ」と、ちぎりたまひて、南の方より𢌞り幸でます時に
ここを以ちて思ふに、賤奴やつこ意富美は、力をつくして戰ふとも、更にえ勝つましじ。