“いたま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
傷41.1%
可傷16.1%
痛10.7%
板間8.9%
惨5.4%
慘5.4%
居給3.6%
悼1.8%
可痛1.8%
居堪1.8%
悲傷1.8%
痛酷1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
傷(いたま)しくも悩める君をのみわれは求むる。狂ひて叫ばん唇に、消えも失せなん心して、わが愛する人よ。泣きたまへ。唯(ただ)泣きたまへ。
彼はさすがに見捨てかねたる人の顔を始は可傷(いたま)しと眺(なが)めたりしに、その眼色(まなざし)は漸(やうや)く鋭く、かつは疑ひかつは怪むらんやうに、忍びては矚(まも)りつつ便無(びんな)げに佇(たたず)みけるに、いでや長居は無益(むやく)とばかり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
という言葉の節々、其(その)声音(こわね)、其眼元、其顔色は実(げ)に大(おおい)なる秘密、痛(いたま)しい秘密を包んで居(い)るように思われた。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と言って、小君は板間(いたま)に上敷(うわしき)をひろげて寝た。女房たちは東南の隅(すみ)の室に皆はいって寝たようである。小君のために妻戸をあけに出て来た童女もそこへはいって寝た。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
抜け出ている女の頸足(えりあし)と、それへ崩れてもつれかかって、揺れている女の後れ毛とを、惨(いたま)しくも見えれば艶(なまめ)かしくも見える、そういうように照らしていて、その下に蒼白の色をした
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
カピ妻 おゝ、悲(かな)しや! 此(この)慘(いたま)しい死樣(しにざま)は、老(お)いゆく此身(このみ)をば墓(はか)へ急(いそ)がす死鐘(しにがね)ぢゃ。
... 買って来たのか、よほど妙だな。前代未聞の珍事だね。マア遊んで居給(いたま)え、今に帰って来るかも知れない」大原「そうさね、途中で行違いになっても残念だから待っていようか。時に中川君、お登和さんは東京で何処へか嫁に遣るつもりか」主人「好(よ)い口さえあれば遣りたいと思うが、しかし僕が女房を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
上(あげ)られしにぞ私し始め皆々ソレと言(い)つて馳付(はせつき)候ひしにお悼(いたま)しや深手(で)何ヶ所も負(おひ)給ひ御養生(ごやうじやう)叶(かな)ふべくも候はず其時喜内樣には私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見て悼(いたま)しく思ひ或日我が眠(ねむ)り居る時此座敷へ來りお花に對ひ縱令(たとへ)貯(たくは)への路金は盡たり共然樣な事に少しも心遣(こゝろづか)ひなく病氣全快(ぜんくわい)ある迄看病(かんびやう)して緩(ゆる)りと滯留(たいりう)致すべしと情ある言葉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『浮世(ふせい)夢のごとし』——それに勝手な節を付けて、低声に長く吟じた時は、聞いて居る丑松も沈んで了つて、妙に悲しいやうな、可痛(いたま)しいやうな心地(こゝろもち)になつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そう思(おも)えばますます居堪(いたま)らず、衝(つ)と立(た)って隅(すみ)から隅(すみ)へと歩(ある)いて見(み)る。『そうしてからどうする、ああ到底(とうてい)居堪(いたたま)らぬ、こんな風(ふう)で一生(しょう)!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
日に焼けた醜(まず)い顔の女では有りましたが、調子の女らしい、節の凄婉(あわれ)な、凄婉なというよりは悲傷(いたま)しい、それを清(すず)しい哀(かな)しい声で歌いましたのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
時に、多至波奈大郎女(たちばなのおほいらつめ)、悲哀嘆息し、畏(かしこ)みて、天皇の前に白(まを)して曰(いは)く、之(これ)を啓(まを)さむは恐(かしこ)しと雖(いへど)も、懐(おも)ふ心止(や)み難し。我が大王(おほきみ)が母王と期(ご)するが如(ごと)く従遊したまひ、痛酷(いたま)しきこと比(ひ)無(な)し。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)