-
トップ
>
-
悼
>
-
いたま
上られしにぞ私し始め皆々ソレと
言つて
馳付候ひしにお
悼しや深
手何ヶ所も
負給ひ
御養生叶ふべくも候はず其時喜内樣には私しを
見て
悼しく思ひ或日我が
眠り居る時此座敷へ來りお花に對ひ
縱令貯への路金は盡たり共然樣な事に少しも
心遣ひなく病氣
全快ある迄
看病して
緩りと
滯留致すべしと情ある言葉を
敷イザと
勸る
箱枕のみならぬ身の親父が横に成たる
背後へ廻り腰より足を
摩り
行手弱腕も今宵
此仇を
斃さんお光の精神是ぞ親子が一世の別れと
究る心は如何ならん
想像だに
悼しけれ