ねぎ)” の例文
旧字:
それが済むと、彼は始めて微笑を浮べながら、妾をねぎらった。それから再び外へ出て不忍池しのばずのいけを真下に見下ろす、さる静かな料亭の座敷へ連れこんだのだった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
弥介は、伝右衛門奮戦の際、持って居た勝頼の諏訪法性ほっしょうの甲を田に落したのを拾い上げた。勝頼、惣蔵を扇であおいでねぎらい、伝右衛門の軽傷を負ったのに自ら薬をつけてやった。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
孝孺喪服そうふくして入り、慟哭どうこくしてかなしみ、声殿陛でんへいに徹す。帝みずからとうくだりてねぎらいて曰く、先生労苦するなかれ。我周公しゅうこう成王せいおうたすけしにのっとらんと欲するのみと。孝孺曰く、成王いずくにかると。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ねぎらい心で
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)