わづら)” の例文
旧字:
三三ゆゑなき所に永くらじと、三四おのが身ひとつをぬすみて国にかへみちに、此のやまひにかかりて、思ひがけずも師をわづらはしむるは、身にあまりたる御恩めぐみにこそ。
他国たこく旅人たびゝとなどはおそる/\移歩あしをはこびかへつておつものあり、おつれば雪中にうづむ。る人はこれをわらひ、おちたるものはこれをいかる。かゝる難所なんじよを作りて他国の旅客りよかくわづらはしむる事もとめたる所為しわざにあらず。
興義枕をあげて、二九路次ろじわづらひをかたじけなうすれば、助も蘇生よみがへりことぶきを述ぶ。興義先づ問ひていふ。君こころみに我がいふ事を聞かせ給へ。かの漁父ぎよふ文四に魚をあつらへ給ふ事ありや。
六八午時ひるかたぶくまで尋ねわづらひたるに、かの丫鬟わらは東の方よりあゆみ来る。豊雄見るより大いに喜び、六九娘子をとめの家はいづくぞ。かさもとむとて尋ね来るといふ。丫鬟打ちゑみて、よくも来ませり。