“身世”の読み方と例文
読み方割合
しんせい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮たんぼ身世しんせい怱忙そうばうに追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心またつかれをおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けだしこの亡邸の一挙たる、彼が身世しんせい齟齬そごの第一着にして、彼れみずからその猛気を用いたる劈頭へきとうに加えたり。彼れ何故にかくの如き事を為せしか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
然りと雖も人老ゆるに及んで身世しんせい漸く落寞らくばくの思いに堪えず壮時を追懐して覚えず昨是今非さくぜこんひの嘆を漏らす。蓋し自然の人情怪しむに足らざるなり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)