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身世
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しんせい
ふりがな文庫
“
身世
(
しんせい
)” の例文
啄木、永く都塵に埋もれて、
旦暮
(
たんぼ
)
身世
(
しんせい
)
の
怱忙
(
そうばう
)
に追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心また
労
(
つかれ
)
をおぼえぬ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
蓋
(
けだ
)
しこの亡邸の一挙たる、彼が
身世
(
しんせい
)
齟齬
(
そご
)
の第一着にして、彼れ
自
(
みずか
)
らその猛気を用いたる
劈頭
(
へきとう
)
に加えたり。彼れ何故にかくの如き事を為せしか。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
然りと雖も人老ゆるに及んで
身世
(
しんせい
)
漸く
落寞
(
らくばく
)
の思いに堪えず壮時を追懐して覚えず
昨是今非
(
さくぜこんひ
)
の嘆を漏らす。蓋し自然の人情怪しむに足らざるなり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
どうも早や、おれも永らく
身世
(
しんせい
)
漂浪
(
ひょうろう
)
の体じゃ、今まで何をして来たともわからぬ、これからどうなることともわからぬ。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この秋には彼女も長く住みなれた東京を引揚げて、田舎へ帰らうとしてゐたほど、死に近づきつゝある
身世
(
しんせい
)
の寂莫を感じてゐた。地震はたゞそれを早めたに過ぎないのであつた。
余震の一夜
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「
江山
(
こうざん
)
洵美
(
じゅんび
)
是
(
これ
)
吾郷
(
わがきょう
)
」〔
大槻盤渓
(
おおつきばんけい
)
〕と、
身世
(
しんせい
)
誰か吾郷の洵美を謂はざる者ある、青ヶ島や、南洋
浩渺
(
こうびょう
)
の間なる一頃の噴火島、爆然轟裂、火光煽々、天日を焼き、石を降らし、灰を散じ
それからそれ:書斎山岳文断片
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
天然に
胚胎
(
はいたい
)
し、物理を
格致
(
かくち
)
し、人道を
訓誨
(
くんかい
)
し、
身世
(
しんせい
)
を
営求
(
えいきゅう
)
するの業にして、真実無妄、細大備具せざるは無く、人として学ばざるべからざるの要務なれば、これを天真の学というて可ならんか。
慶応義塾の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分の
身世
(
しんせい
)
も、あちらに流れ、こちらに漂うて、幾時幾所でいろいろの月をながめたが、この世に自分ほど不運なものは無いとは言わないが、自分というものもまた
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
拙者は
身世
(
しんせい
)
の
数奇
(
さっき
)
というやつで、
有為転変
(
ういてんぺん
)
の行路を極めたが、天下の大勢というものにはトンと暗い、京都はどうなっている、江戸はどうだ、それから、君の故郷の薩摩や
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“身世”で始まる語句
身世怱忙
身世浮沈夢一場