“御在”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ござい38.9%
ござ13.9%
おいで11.1%
おあ8.3%
いま5.6%
おわ2.8%
おあり2.8%
おは2.8%
おはさ2.8%
おはし2.8%
おはす2.8%
ごぞん2.8%
オワ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうも申訳が御在ございません。どうぞ御勘弁を……。」とばかり前髪から滑り落ちるかんざしもそのままにひたすらひたいを畳へ摺付すりつけていた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
手紙の初めにも申上げたよう私のうちいち監獄署の裏手で御在ございます。五、六年前私が旅立する時分じぶんにはこの辺はく閑静な田舎でした。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それとも御在おいでですか。宿屋に居るのも不自由で、面白くもないぢやありませんか。来年あたりは一つ別荘でも建てませう。何のわけは無い事です。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「心配と云ふ程で無くとも、何か御在おありなさるでせう」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
食国をすくにとほ御朝廷みかどに、汝等いましらまかりなば、平らけく吾は遊ばむ、手抱たうだきて我は御在いまさむ、天皇すめらがうづの御手みてもち、掻撫かきなでぞぎたまふ、うち撫でぞぎたまふ、かへり来む日あいまむ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ご兄弟様とのおん仲も御むつまじく、四方よりのご人望は富岳よりも御高く、御在おわしますところの御皇子様! いよいよ弥栄いやさかえましまして、やがてはこの御国みくに御礎石おんいしずえとなられ
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どうも、お嬢様、貴嬢あなたのお胸には何某殿どなた御在おありなさるに相違御座りません、——御嬢様、婆やの目ががひましたか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
殿とのこそは御一門の柱石ちゆうせき、天下萬民の望みの集まる所、吾れ人諸共もろとも御運ごうんの程の久しかれと祈らぬ者はあらざるに、何事にて御在おはするぞ、聊かの御不例に忌まはしき御身の後を仰せ置かるゝとは。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
入給いれたまひては如何いかゞもつとも外に男の子も御在おはさぬ事ゆゑ熊殿くまどの年のふけぬうちに聟養子むこやうしをなし持參ぢさん金子きんすを以て山方やまがた問屋とひやかり償却つぐなひくらし方もを付て身上しんしやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
中納言家には御存じゆゑ斯樣かやうに仰上られしものなるべし此時このとき將軍には御不審の體にて御在おはしますにぞ又申上らるゝ樣はかの綸言りんげんあせの如しまた武士ぶしに二言なしとか君のお目鏡めがねにて名奉行と仰せられ候越前天下の御ため
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
声を和らげていと静に、云ひたまふところ皆其理あり、たゞし女の上の事は未だ知らずに御在おはすと見えたり、此の五日ほど前の事なり、我みづから女を説き諭して
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『いぶかしや、貴君きくん何人なにびとなれば、濱島武文はまじまたけぶみ春枝はるえとを御在ごぞんじですか。』
コノ若殿、サキガケ御在オワセバ、軍中、何トナク重キヲナシ、卒伍ソツゴノ端々ニマデ心ヲ強メケル——
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)