御在ござ)” の例文
手紙の初めにも申上げたよう私のうちいち監獄署の裏手で御在ございます。五、六年前私が旅立する時分じぶんにはこの辺はく閑静な田舎でした。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
女子教育上ぢよしけういくじやう意見いけんとしては別段べつだん申上まをしあげることも御在ござませんが、わたくしが一昨年さくねんはる女子英學塾ぢよしえいがくじゆくひらいてから以來いらい種々いろ/\今日こんにち女子ぢよしすなは女學生ぢよがくせいつい經驗けいけんしたことがありますから
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
至極しごく孝心深き者で、父につかえて平生は云々、又その病中の看病は云々、私は現在ソレを見て居ます、この孝行者にこの不忠を犯すはずはない、れにかぎって悪い根性の者では御在ござません
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かたられてはなほ以て迷惑めいわく至極しごくと云そばより嘉平次も然樣々々さやう/\我等は百姓だいも致す者こと組頭くみがしらと申て名をかた眞間まんまだまし御在ござつたりと云を藤八如何いかにも是を御覽じろと一通の書付をいだし其節證據の曼陀羅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お手紙ありがとう御在ございます。無事帰朝しまして、もう四、五カ月になります。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わづか二千や三千の金位に御勘當ごかんだうとは餘りなり當分の見懲みごらしなるべきまゝ今にも私し參り御詫おんわび仕つらんなれども吉原に御在ござられて女郎の世話になり給ふと有りては御詫のさまたげ今よりすぐに私し方へ御供申さんと云ふにぞ五八も其理そのりふく如何樣いかさま私し方に御出おんいでありてはかへつて御詫の妨げ此由初瀬留樣へも申べし自然しぜん御用もあらば御文は私し方へつか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お忘れものの御在ございませんように。」と注意したが、見るから汚いおしめの有様。といって黙って打捨てても置かれず、詮方せんかたなしに「おあぶのう御在いますから、御ゆるり願います。」
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)