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御勘當
知せけるにそ初瀬留は
打驚き
早速來りて吉之助に
逢ひ私し故に
御勘當の御身となられし由
嘸かし
憎き者と
思召れんが此上は私し何事も
御見繼申さんにより
何處へも行き給はず五八の方に居給へとて夫より
呉服屋へ言ひ付吉之助が
衣類其外何不自由なく
送りければ是ぞ誠に
鷄卵に四
角の
眞實と
仕送らるゝ身は思ふなるべし或日五八は
僅か二千や三千の金位に
御勘當とは餘りなり當分の
見懲なるべきまゝ今にも私し參り
御詫仕つらんなれども吉原に
御在られて女郎の世話になり給ふと有りては御詫の
妨げ今より
直に私し方へ御供申さんと云ふにぞ五八も
其理に
伏し
如何樣私し方に
御出有ては
却て御詫の妨げ此由初瀬留樣へも申べし
自然御用もあらば御文は私し方へ
遣は