“いま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イマ
語句割合
30.0%
27.8%
13.1%
5.1%
現在4.5%
現今4.0%
居間3.1%
居室1.7%
1.1%
0.9%
目下0.8%
現代0.7%
0.7%
0.6%
0.5%
今日0.5%
当今0.5%
当時0.4%
0.4%
現時0.3%
0.3%
今時0.2%
内寝0.2%
居待0.2%
御在0.2%
現下0.2%
當時0.2%
近代0.2%
今者0.1%
先刻0.1%
内室0.1%
内院0.1%
刻下0.1%
即刻0.1%
即座0.1%
只今0.1%
在宅0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
早晩0.1%
0.1%
0.1%
自今0.1%
0.1%
部屋0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
工務課の人たちの意志によつて彼はいまだ動かせぬ足を持つて下宿へ帰された。兄弟よ。われ等は算盤玉ですつかり弾き出されるのだ。
工場の窓より (新字旧仮名) / 葉山嘉樹(著)
ねんじゅうがそうであり、百ねんあいだが、そうであったにちがいない。そしてこの山々やまやまは、むかしも、いまも、永久えいきゅうにだまっているのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
ということは、おそるべきいまわしき妖毒ようどくが、今や金博士の性格を見事に切りくずしたその証左しょうさと見てもさしつかえないであろうと思う。
また立ちて祈る時、人を怨むることあらばゆるせ、これは天にいます汝らの父の、汝らの過失を免し給わんためなり。(一一の二二—二五)
現在いまではただの労働者でも、絵だの彫刻だのというようなことが多少ともあたまにありますが、その頃はそうした考えなどは、全くない。
もし仮に他の人であったら現今いまのわたくしのような善い人たちにかこまれることもなく、かなしい憂目うきめを見たかも分りません。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
妹の居間いまには例の通り壁と云う壁に油画あぶらえがかかり、畳にえた円卓えんたくの上にも黄色い笠をかけた電燈が二年前の光りを放っていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それにも拘はらず、彼女の死後その居室いまには文字を書いたものと云つては、殆んど何一つない位よく仕末されてありました。
背負ひ切れぬ重荷 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
交代で夜をいましめている武士以外は、皆死んだように熟睡するので、晝間の騒擾そうじょうと活動が激しければ激しい程、夜は無気味に静かになる。
ヨーロッパ諸国の社会の進歩とルネッサンス以来の人間解放の方向とは、中世封建の社会から女にだけ強要された野蛮な貞操のいましめをといた。
貞操について (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
うまでもなく道徳円満、ただしその細君は三度目で、さきの二人とも若死をして、目下いまのがまた顔色が近来、あおい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現代いまのおいらんなんだそうですけれど、作者だか、絵師えかきさんだかの工夫ですか、意匠こころつもりで、むかし風にあつらえたんでしょう、とおっしゃって、それに、雑誌にはいろいろの作が出ておりますけれど
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
早熱早冷の大にいましむべきはむしろ戦呼に勇む今の時に非ずして、かへりて戦後国民の覚悟の上にあるべくと存候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
極刑中の極刑を以つていましめられるところに、無智なるが故の爲政者の恐怖と、封建性のからを守り拔かうとする見かけだけの嚴重さがあつたわけです。
かれ、その猨田毘古さるたひこの神、阿邪訶あざかいませる時にすなどりして、ヒラブ貝にその手をひ合されて海塩うしおおぼれたまひき。
とびが出るか、たかが出るか、難産中で今日いまの処は何とも言へぬが、三十三四の、脂肪切あぶらぎつた未亡人を主人公に、五六十回続けて見ようと思ふが、問題が問題であるから
未亡人と人道問題 (新字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)
「へへへへへ、華族で、金があれば、ばかでも嫁に行く、金がなけりゃどんなに慕ってもつばきもひッかけん、ね、これが当今いま姫御前ひめごぜです。へへへへ、浪子さんなンざそんな事はないですがね」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
これはわたくし大事だいじしなでございまして、当時いま零落おちぶれまして、を高くはうといふ人がございますけれども、なか/\手離てばなしませぬで……。
お菊の胸を往来するものは、役者らしくもなく純情な中村新八郎の姿で、阿武隈大膳正の、情痴にただれた醜怪な大肉塊は、恐ろしくいまわしく、そして汚らわしくさえ思われました。
私は這麽こんな性質ですから諄々つべこべ言つて見ることも御座いますが、人の前ぢや眼許りパチパチさしてゐて、カラもう現時いま青年わかいものの樣ぢやありませんので。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
容姿端麗ようしたんれいとほ藤原氏時代ふぢはらしじだい木彫きぼりだとくが、ほそゆびさきまでいさゝかそんじたところがない、すらりとした立像りつざうの、法衣ほふえいろが、いまひとみうつつた萌黄もえぎなのである。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「たかが、今時いまのおめえさん。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで孔生は泊ることにして少年とねだいをともにして寝たが、朝になってまだうす暗いうちに僮子こぞうが来て炭火を室の中できだしたので、少年はさきに起きて内寝いまへ入ったが
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ははあ角口に隠れていて、居待いまち討ちにしようというのだな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
食国をすくにの とほ朝廷みかどに 汝等いましらし 斯くまかりなば 平らけく 吾は遊ばむ 手抱たうだきて 我は御在いまさむ 天皇すめらが うづの御手みてち 掻撫かきなでぞ ぎたまふ うち撫でぞ 労ぎたまふ 還り来む日 相飲まむぞ この豊御酒とよみき
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
女房は、これも現下いまの博多節に、うっかり気を取られて、釜前の湯気にもうとして立っていた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れをめやうとて雷神虎らいじんとら盆筵ぼんござはしについたがつまり、次第しだいるいがことみてしまひには土藏どぞうやぶりまでしたさうな、當時いまをとこ監獄入かんごくいりしてもつそうめしたべてやうけれど
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今者いませふづるをるに、志念しねんふかし、つねもつ(六一)みづかくだものり。いまけ八しやくすなはひと僕御ぼくぎより、しかみづかもつれりとす。せふここもつるをもとむるなり
先刻いまの奴らがやって来て、また虐めないものでもない。遠慮をするな、送ってやろう」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その細君はえんといってすこぶる美しい女であったが、ある夜自分の内室いまにいると一人の若い強そうな男が外から不意に入って来て、剣に手をかけて四辺あたりを見まわしたので、じょちゅうばあやは恐れて逃げてしまった。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
邵は客を泊めるへやに婢や媼を入れてあるので、とうとう万生を内院いまへ伴れていって泊めた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そも何者が訴人そにんをしてかくも捕り手のむれをさしむけたのか?——という疑惑ぎわくとふしぎ感だったが、そんな穿鑿せんさくよりも刻下いまは身をもってこの縦横無尽に張り渡された捕縄ほじょうの網を切り破るのが第一
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あたしのむくろはまだあの井戸の底にあるはずだから、後日のちとはいわず即刻いまにも引き上げて明日の酉の日の分に入れてみようじゃないか——と。
それが可厭いやならお止しだけれど、きまった人が出来た上は、片時も、寝衣ねまき胡坐あぐらかいた獣なんぞ、備前焼の置物だって身のまわり六尺四方はおろかなこと、一つ内へは置けないから、即座いま帰れ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
豈離只今這皮袋[菴中不死の人を識らんとおもわば、あに只今いまのこの皮袋を離れんや]を引いて、肉体の主人たる不生不滅者は、たとい誰の(釈迦や弥勒の)それであっても
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
在宅いますことは、在宅いますが、お目にかゝれますかどうか一寸伺って参ります。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
贋探偵の銀平が出去いでさりたる後、得右衛門はなお不審晴れ遣らねば、いまの内を見廻みめぐるに、畳に附たる血のあとあり。一箇処のみか二三箇処。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いまだ幾万年しか経ない人間社会に在って、常に弱肉強食の修羅場を演じ、多数の弱者が直接・間接に生存競争の犠牲となるのは、目下の所は已むを得ぬ現象で、天寿を全くして死ぬちょう願いは
死生 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
八坂入彦皇子やさかのいりびこのみこむすめ弟媛おとひめは無類飛び切りの佳人なり、その再従兄に当らせたもう景行帝その由きこし召して、遠くその家にみゆきせしに、恥じて竹林やぶに隠れたので、帝くくりの宮にいまし鯉多く放ち遊びたもう。
だって、貴女、先生がお嬢さんのお酌で快く御酒を召食めしあがれば、それに越した事はありません。いまにその筋から御褒美ごほうびが出ます。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伏しておもふに皇帝陛下、一を得て光宅くわうたくし、三に通じて亭育ていいくしたまふ。紫宸にいまして徳は馬のつめの極まるところにかがふり、玄扈げんこいまして化は船のいたるところを照したまふ。
それは雀のようにすくみ上っても見えたし、また別な、厳粛な、荒荒しい外部をいましめている小さな怒りに燃えているようにも思えた。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
本当ほんたうに困るぢやアないかね、わたし義理ぎりあるなかだから小言こごとへないが、たつた一人のにいさんを置去おきざりにしてかへつてるなんて……なに屹度きつと早晩いまにぶらりとかへつてるのがおちだらうが
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は学いまだ深からず、歳いまだ高からず、齢いまだ熟せず、経験いまだ多からず、要するにこれ白面の中書生(老書生といわず)のみ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
抜いてはならぬといましめられている伝家の宝刀を抜いて見ているうちに、血相が変って来たの……というような話が、いくらでも出て来るのは、そうした恐しい心理遺伝の暗示の力を
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どん底にぶつかったところが——自今いまの世相から見て、生命いのちをかけたいわゆる男の、武士道的な誓約のある事を、寡聞かぶんにして知らないから——物質と社会上の位置とを失えば
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しかも祖母のいましめによって、いかなる折りも髪かたちをくずさず、しじゅう身ぎれいに、家の内外も磨きあげたようにして、終日、ザブザブと、水を豊かに汲みあげているような日常を見て
さても得右衛門は銀平を下枝の部屋いま誘引いざない
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)