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ふりがな文庫
“
今
(
いま
)” の例文
佐賀錦
(
さがにしき
)
の
紙入
(
かみいれ
)
から、
其
(
そ
)
の、ざく/\と
銅貨
(
どうくわ
)
まじりを
扱
(
あつか
)
つた、
岡田夫人
(
をかだふじん
)
八千代
(
やちよ
)
さんの
紙包
(
かみづつ
)
みの、こなしのきれいさを
今
(
いま
)
でも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
年
(
ねん
)
じゅうがそうであり、百
年
(
ねん
)
の
間
(
あいだ
)
が、そうであったにちがいない。そしてこの
山々
(
やまやま
)
は、
昔
(
むかし
)
も、
今
(
いま
)
も、
永久
(
えいきゅう
)
にだまっているのでした。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ことしは
芳之助
(
よしのすけ
)
もはや
廿歳
(
はたち
)
今
(
いま
)
一兩年
(
いちりやうねん
)
經
(
へ
)
たる
上
(
うへ
)
は
公
(
おほやけ
)
に
夫
(
つま
)
とよび
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
身
(
み
)
ぞと
想
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しさに
胸
(
むね
)
をどりて
友達
(
ともだち
)
の
嬲
(
なぶり
)
ごとも
恥
(
はづ
)
かしく
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
能登
(
のと
)
の「ワゲシ」は
最
(
もつと
)
もこれに
近
(
ちか
)
い
音
(
おん
)
を
有
(
いう
)
する鳳(フング)至(シ)の二
字
(
じ
)
によつて
示
(
しめ
)
されたのが、
今
(
いま
)
は「ホーシ」と
讀
(
よ
)
む
者
(
もの
)
がある。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ラプンツェルは、まだ一
度
(
ど
)
も、
男
(
おとこ
)
というものを
見
(
み
)
たことがなかったので、
今
(
いま
)
王子
(
おうじ
)
が
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのを
見
(
み
)
ると、
初
(
はじ
)
めは
大変
(
たいへん
)
に
驚
(
おどろ
)
きました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
で、その
白鳥
(
はくちょう
)
は、
今
(
いま
)
となってみると、
今
(
いま
)
まで
悲
(
かな
)
しみや
苦
(
くる
)
しみにさんざん
出遭
(
であ
)
った
事
(
こと
)
が
喜
(
よろこ
)
ばしい
事
(
こと
)
だったという
気持
(
きもち
)
にもなるのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
荒物屋のお
今
(
いま
)
——今年十七になる滅法可愛らしいのが、祭り
衣裳
(
いしょう
)
の晴れやかな姿で、湯島一丁目の路地の奥に殺されておりました。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
だが、あたしの弱かつたのはお灸のせゐだと
今
(
いま
)
では思つてゐる。なぜならば、
膏汗
(
あぶらあせ
)
と
精根
(
せいこん
)
を五ツ六ツのころから
絞
(
しぼ
)
りつくしてゐるのだ。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
おじいさんは
今
(
いま
)
まで
一人
(
ひとり
)
ぼっちで、
寂
(
さび
)
しくってたまらなかったところですから、
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くとやっと
生
(
い
)
き
返
(
かえ
)
ったような
気
(
き
)
がしました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
今
(
いま
)
敵國
(
てきこく
)
深
(
ふか
)
く
侵
(
をか
)
して、
邦内
(
はうない
)
騷動
(
さうどう
)
し、
士卒
(
しそつ
)
、
境
(
さかひ
)
に
(一七)
暴露
(
ばくろ
)
す。
君
(
きみ
)
寢
(
い
)
ねて
席
(
せき
)
を
安
(
やす
)
んぜず、
食
(
くら
)
うて
味
(
あぢはひ
)
を
甘
(
あま
)
しとせず。百
姓
(
せい
)
の
命
(
めい
)
皆
(
みな
)
君
(
きみ
)
に
懸
(
か
)
かる。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
從
(
したが
)
つて
私
(
わたし
)
は、
其
(
そ
)
の
以前
(
いぜん
)
に
同郷的愛着
(
どうきやうてきあいちやく
)
、
同藩的偏見
(
どうはんてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたと
同
(
おな
)
じやうに、
今
(
いま
)
は
次第
(
しだい
)
に
國民的愛着
(
こくみんてきあいちやく
)
、
國家的偏見
(
こくかてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたのであつた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
今
(
いま
)
こそ
彼女
(
かのぢよ
)
は、
亡
(
な
)
き
夫
(
をつと
)
の
靈
(
れい
)
と
純潔
(
じゆんけつ
)
な
子供
(
こども
)
の
前
(
まへ
)
に、たとへ
一時
(
いつとき
)
でもその
魂
(
たましひ
)
を
汚
(
けが
)
した
悔
(
くゐ
)
の
證
(
あかし
)
のために、
死
(
し
)
ぬことが
出來
(
でき
)
るやうにさへ
思
(
おも
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ぴらみっとや
古
(
ふる
)
い
墓
(
はか
)
から
出
(
で
)
たいろ/\の
寶物
(
ほうもつ
)
が
一
(
いつ
)
ぱいありまして、
今
(
いま
)
から
四五千年前
(
しごせんねんまへ
)
の
王樣
(
おうさま
)
のみいらも、そのまゝ
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
ます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
先生
(
せんせい
)
を
訪
(
と
)
ふた、
翌日
(
よくじつ
)
でした、
使者
(
しゝや
)
が
手紙
(
てがみ
)
を
持
(
もつ
)
て
來
(
き
)
て
今
(
いま
)
から
生徒
(
せいと
)
十
數名
(
すうめい
)
を
連
(
つ
)
れて
遠足
(
ゑんそく
)
にゆくが
君
(
きみ
)
も
仲間
(
なかま
)
に
加
(
くは
)
はらんかといふ
誘引
(
さそひ
)
です。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
濺
(
そゝ
)
ぐ涙に哀れを
籠
(
こ
)
めても、飽くまで世を背に見たる我子の決心、左衞門
今
(
いま
)
は夢とも上氣とも思はれず、
愛
(
いと
)
しと思ふほど
彌増
(
いやま
)
す
憎
(
にく
)
さ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
𤍠
(
あつ
)
いところから
寒
(
さむ
)
い
地方
(
ちほう
)
へ
行
(
い
)
くにつれて、そこに
生育
(
せいいく
)
してゐる
樹木
(
じゆもく
)
の
種類
(
しゆるい
)
及
(
およ
)
び
森林
(
しんりん
)
の
形
(
かたち
)
が
各々
(
おの/\
)
異
(
ことな
)
つてゐる、とは
今
(
いま
)
はお
話
(
はなし
)
しました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「ふん。
昔
(
むかし
)
も
今
(
いま
)
もあるもんじゃねえ。
隣近所
(
となりきんじょ
)
のこたァ、
女房
(
にょうぼう
)
がするに
極
(
きま
)
ッてらァな。
行
(
い
)
って、こっぴどくやっ
付
(
つ
)
けて
来
(
き
)
ねえッてことよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
問『では
今
(
いま
)
までただお
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せないという
丈
(
だけ
)
で、あなた
様
(
さま
)
は
私
(
わたくし
)
の
狂乱
(
きょうらん
)
の
状態
(
じょうたい
)
を
蔭
(
かげ
)
からすっかり
御覧
(
ごらん
)
になっては
居
(
お
)
られましたので……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
重
(
かさ
)
ね右の
趣
(
おもぶ
)
きまで願書に
認
(
したゝ
)
め居たるに加賀屋長兵衞入り來り我等
何分
(
なにぶん
)
にも取扱ひ候間
今
(
いま
)
少
(
すこ
)
し御待ち下さるべし白子屋方へ
能々
(
よく/\
)
異見
(
いけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それに、
月末
(
つきずゑ
)
だつてもう
近
(
ちか
)
いんだし、
何
(
なに
)
もそんなあつてもなくつてもいい
壁掛
(
かべかけ
)
なんかを
今
(
いま
)
お
買
(
か
)
ひになることないぢやありませんか
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私
(
わたし
)
今
(
いま
)
ゐるところ
日本
(
にほん
)
の
家
(
いえ
)
でございます。
私
(
わたし
)
日本
(
にほん
)
の
家
(
うち
)
が
好
(
す
)
きでございます。
日本
(
にほん
)
の
西洋家屋
(
せいようかおく
)
はお
粗末
(
そまつ
)
で
却
(
かへつ
)
て
感
(
かん
)
じが
悪
(
わる
)
うございます。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
下
(
くだ
)
るわ、/\、/\。
流
(
なが
)
れは
何處
(
どこ
)
まで
行
(
い
)
つても
盡
(
つ
)
きないのかしら?『
今
(
いま
)
までに
私
(
わたし
)
は
幾
(
いく
)
哩
(
マイル
)
落
(
お
)
ちたかしら?』と
愛
(
あい
)
ちやんは
聲高
(
こわだか
)
に
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
動物
(
どうぶつ
)
はいつの
時代
(
じだい
)
にも口をききましたし、
今
(
いま
)
でもまだ口をきくのです。しかし、
鳥
(
とり
)
や
獣
(
けもの
)
は自分のお友だちにしか口をききません。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
私
(
わたし
)
も
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
りあのSさんのやうに
皆
(
みな
)
さんにもうお
訣
(
わか
)
れです、でもね
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
大
(
おほ
)
きな
大
(
おほ
)
きな
丘陵
(
きうりよう
)
のやうに、
安心
(
あんしん
)
して
横
(
よこ
)
たはつてゐますのよ。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
彼
(
かれ
)
は
夜
(
よる
)
になつても
燈
(
あかり
)
をも
點
(
つ
)
けず、
夜
(
よも
)
すがら
眠
(
ねむ
)
らず、
今
(
いま
)
にも
自分
(
じぶん
)
が
捕縛
(
ほばく
)
され、
獄
(
ごく
)
に
繋
(
つな
)
がれはせぬかと
唯
(
たゞ
)
其計
(
そればか
)
りを
思
(
おも
)
ひ
惱
(
なや
)
んでゐるのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
男
(
おとこ
)
と
女
(
おんな
)
の
相違
(
そうい
)
が、
今
(
いま
)
は
明
(
あき
)
らかに
袖子
(
そでこ
)
に
見
(
み
)
えてきた。さものんきそうな
兄
(
にい
)
さん
達
(
たち
)
とちがって、
彼女
(
かのじょ
)
は
自分
(
じぶん
)
を
護
(
まも
)
らねばならなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのことをお
話
(
はなし
)
するのには、
今
(
いま
)
一人
(
ひとり
)
、
赤人
(
あかひと
)
の
先輩
(
せんぱい
)
とも、
先生
(
せんせい
)
ともいはなければならない、
柿本人麿
(
かきのもとのひとまろ
)
のことを
申
(
まを
)
さねばなりません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今
(
いま
)
しも
船首甲板
(
せんしゆかんぱん
)
に
於
(
お
)
ける
一等運轉手
(
チーフメート
)
の
指揮
(
しき
)
の
下
(
した
)
に、はや一
團
(
だん
)
の
水夫等
(
すいふら
)
は
捲揚機
(
ウインチ
)
の
周圍
(
しゆうゐ
)
に
走
(
は
)
せ
集
(
あつま
)
つて、
次
(
つぎ
)
の一
令
(
れい
)
と
共
(
とも
)
に
錨鎖
(
べうさ
)
を
卷揚
(
まきあ
)
げん
身構
(
みがまへ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
何
(
なに
)
しろ
小六
(
ころく
)
は
家
(
うち
)
へ
來
(
く
)
ると
極
(
き
)
めるより
外
(
ほか
)
に
道
(
みち
)
はあるまいよ。
後
(
あと
)
は
其上
(
そのうへ
)
の
事
(
こと
)
だ。
今
(
いま
)
ぢや
學校
(
がくかう
)
へは
出
(
で
)
てゐるんだね」と
宗助
(
そうすけ
)
が
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おつう
等
(
ら
)
だつて
今
(
いま
)
に
善
(
え
)
えこともあらな、そんだがおつかゞ
無
(
な
)
くつちや
衣物
(
きもの
)
欲
(
ほ
)
しくつても
此
(
これ
)
ばかりは
仕
(
し
)
やうがねえのよな」
女房
(
にようばう
)
はいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
家族
(
かぞく
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
遊
(
あそ
)
びに
行
(
ゆ
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
其時
(
そのとき
)
に、
今
(
いま
)
は
故人
(
こじん
)
の
谷活東子
(
たにくわつとうし
)
が、
畑
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
から
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
一箇
(
ひとつ
)
拾
(
ひろ
)
ひ
出
(
だ
)
して、
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
した。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
また横井さんのお話の後で、ただ
今
(
いま
)
申した通り、加えることはないが、すこぶる御同感の点が多い、多いどころではない悉く御同感である。
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
彼
(
あ
)
の
可愛
(
かあい
)
らしい手を出して
膝
(
ひざ
)
の
下
(
した
)
を
撫
(
なで
)
て
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る、あゝ/\
可愛
(
かあい
)
い
児
(
こ
)
だ、
今
(
いま
)
のう
良
(
よ
)
い
薬
(
くすり
)
を
遣
(
や
)
るよ、……
煙草
(
たばこ
)
の
粉末
(
こな
)
ぢやア
却
(
かへ
)
つて
可
(
い
)
けない
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兎
(
うさぎ
)
にたんぽぽをやっていると、
用吉君
(
ようきちくん
)
が、
今
(
いま
)
おろすところだよ、といって
来
(
き
)
たので、
遅
(
おく
)
れちゃたいへんと、
桑畑
(
くわばたけ
)
の
中
(
なか
)
の
近道
(
ちかみち
)
を
走
(
はし
)
っていった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しかし、
今
(
いま
)
からもう
病家
(
びやうか
)
廻
(
まは
)
りでもあるまいし、
自宅
(
じたく
)
へ
方々
(
はう/″\
)
から、
火
(
ひ
)
のつくやうに
迎
(
むか
)
への
使
(
つかひ
)
の
來
(
き
)
たことを
想像
(
さうざう
)
して、
腰
(
こし
)
をもぢ/\さしてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
俗界
(
ぞくかい
)
に
於
(
お
)
ける
小説
(
せうせつ
)
の
勢力
(
せいりよく
)
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
大
(
だい
)
なれば
随
(
したがつ
)
て
小説家
(
せうせつか
)
即
(
すなは
)
ち
今
(
いま
)
の
所謂
(
いはゆる
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
のチヤホヤせらるゝは
人気
(
じんき
)
役者
(
やくしや
)
も
物
(
もの
)
の
数
(
かづ
)
ならず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
特
(
こと
)
に
青年輩
(
せいねんはい
)
身心
(
しん/\
)
發育
(
はついく
)
の
時代
(
じだい
)
にあるものには、
今
(
いま
)
より
此
(
この
)
法
(
はふ
)
を
實行
(
じつかう
)
して
體力
(
たいりよく
)
を
培養
(
ばいやう
)
し、
將來
(
しやうらい
)
の
大成
(
たいせい
)
を
謀
(
はか
)
る
事
(
こと
)
、
實
(
じつ
)
に
肝要
(
かんえう
)
ならずや。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
「オヤ、おかしいぞ。つい
今
(
いま
)
し
方
(
がた
)
まで、あんなものは落ちていなかったのですよ。それに、わたしの家には、あんな型の封筒はなかった
筈
(
はず
)
だ」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
、こんな
噂
(
うはさ
)
がぱつと
立
(
た
)
ちました。
昨日
(
きのふ
)
の
乞食
(
こじき
)
のやうなあの
坊
(
ぼう
)
さんは、あれは
今
(
いま
)
、
生佛
(
いきぼとけ
)
といはれてゐるお
上人樣
(
しやうにんさま
)
だと。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「四百両か! その
時分
(
じぶん
)
と
今
(
いま
)
とは物価が違っているから、四百両では行くまいな。
伊東出雲
(
いとういずも
)
にきくと、あいつの時は、千二百両かかったそうだ」
吉良上野の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
わしは
七十
(
しちじゆう
)
の
阪
(
さか
)
を
越
(
こ
)
して、もういつ
命
(
いのち
)
が
終
(
をは
)
るかわからぬ。
今
(
いま
)
のうちによい
婿
(
むこ
)
をとつて、
心殘
(
こゝろのこ
)
りのないようにして
置
(
お
)
きたい。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
客
僅
(
わずか
)
に
頷
(
うなず
)
く、いまだ全く解せざるものの如し。更に語を転じて曰く、
我
(
われ
)
今
(
いま
)
子
(
し
)
のために古池の句の歴史的関係を説くべし。
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
けれども人形は一
向
(
こう
)
鳴
(
な
)
きませんでした。さあ甚兵衛は
弱
(
よわ
)
ってしまいました。でも一
度
(
ど
)
いいだしたことですから、
今
(
いま
)
さら
取消
(
とりけ
)
すわけにはゆきません。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
わたしは
今
(
いま
)
でもこの
事
(
こと
)
だけは、
感心
(
かんしん
)
だと
思
(
おも
)
つてゐるのです。わたしと二十
合
(
がふ
)
斬
(
き
)
り
結
(
むす
)
んだものは、
天下
(
てんか
)
にあの
男
(
をとこ
)
一人
(
ひとり
)
だけですから。(
快活
(
くわいくわつ
)
なる
微笑
(
びせう
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小父
(
おぢ
)
さんの帰りはとつかはと馬車に乗りて
喰
(
く
)
はねばならぬ
我宿
(
わがやど
)
の三
膳
(
ぜん
)
の
冷飯
(
ひやめし
)
に急ぎ
申候
(
まうしそろ
)
。
今
(
いま
)
や
則
(
すなは
)
ち
如何
(
いかん
)
前便
(
ぜんびん
)
申上
(
まうしあ
)
げ
候
(
そろ
)
通り、
椽端
(
えんばた
)
の
日向
(
ひなた
)
ぼつこに
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
しかし
此
(
この
)
説明
(
せつめい
)
は
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
せなかつた。
子供
(
こども
)
には
昔
(
むかし
)
の
寒山
(
かんざん
)
が
文殊
(
もんじゆ
)
であつたのがわからぬと
同
(
おな
)
じく、
今
(
いま
)
の
宮崎
(
みやざき
)
さんがメツシアスであるのがわからなかつた。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今
(
いま
)
でも
世界中
(
せかいちう
)
の
鴉
(
からす
)
の
口
(
くち
)
の
中
(
なか
)
には、その
時
(
とき
)
の
火傷
(
やけど
)
のあとが
真赤
(
まつか
)
に
残
(
のこ
)
つてゐるといふ。
人
(
ひと
)
に
嫌
(
きら
)
はれながらも、あの
憐
(
あは
)
れなペンペのために
泣
(
な
)
いてゐるのだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
“今”の意味
《名詞》
(いま)現在、現時点。
《形容動詞》
(いま)現在、現時点。
(いま)すぐ、すぐに。
(いま)ついさきほど。
(いま)さらに、もう。
(出典:Wiktionary)
“今(
現在
)”の解説
現在(げんざい、まれに見在の表記も)は、過去や未来と対になる概念を言う。この用法で使うときには「今」という語に置き換えることができる場合も多い。
また、広義では近い過去(最近)や近未来も含んだ幅のある時間を指す。
(出典:Wikipedia)
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
“今”を含む語句
今日
今朝
今夜
今度
只今
今宵
当今
今回
今世
唯今
現今
今昔
今歳
今少
今日限
自今
今年
今生
今時
今頃
...