“うろこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウロコ
語句割合
97.3%
魚鱗1.4%
突堤0.5%
0.5%
鱗娘0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると僕のまぶたの裏に銀色の羽根をうろこのように畳んだ翼が一つ見えはじめた。それは実際網膜の上にはっきりと映っているものだった。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
短躯肥満、童顔豊頬にして眉間に小豆あずき大のいぼいんしたミナト屋の大将は快然として鉢巻を取りつつ、魚鱗うろこの散乱した糶台ばんだい胡座あぐらを掻き直した。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
夕焼には、夕焼にはの、白鷺がべにつける。白鷺が潟のそこりに足なづむ。簑毛風にそよいで。ハレヤ、霞の雲仙、島原は追風おひての一と潮、風さきの向う突堤うろこ三潴みづまばの、のうもし。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
潮くさき突堤うろこに沁むる夏西日音あわて落つるむつごろ影あり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鮎をけてゐるのであらう、編笠を冠つた背の高い男が、腰まで水につかつて頻りに竿を動かしてゐる。種鮎たねあゆか、それともかかつたのか、ヒラリと銀色のうろこが波間に躍つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「所が、こゝにまた姉に就てあらぬ噂が立てられ始めました。姉の事を、あれは鱗娘うろこだ。男まじわりの出来ぬ女だと」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)