魚鱗うろこ)” の例文
このしづくに、横頬よこほゝたれて、腕組うでぐみをして、ぬい、とつたのは、草鞋わらぢつたみせ端近はぢかしやがんだ山漢やまをとこ魚売うをうりで。三まいざる魚鱗うろこひかつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
短躯肥満、童顔豊頬にして眉間に小豆あずき大のいぼいんしたミナト屋の大将は快然として鉢巻を取りつつ、魚鱗うろこの散乱した糶台ばんだい胡座あぐらを掻き直した。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
川のうえの魚ぶねは、そのとま魚鱗うろこのように列ねて、橋桁の下も、また賑やかな街をつくっている。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)