“モロ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:もろ
語句割合
28.6%
14.3%
14.3%
意外14.3%
14.3%
14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
皆の人はけはひで、覺め難い夢から覺めたやうに、目をみひらくと、あゝ、何時の間にか、姫は嫗のモロ腕兩膝の間には、居させられぬ。一時に、慟哭するやうな感激が來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
今日の用語例は、語原的に言ふと、確かに「モロに」で、相撲などの術語から出たものと思はれる。さうでないとすると、近世的の語として「モロに」など言ふ語の発生は疑はしい。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
初めは「モロに」で、両手でさしあげたりする意の、相撲とりの仲間からとり入られたものと考へて、其まはしを両手モロテでひいて、軽々とさしあげる意から、軽々と・たやすくなど言ふ意が
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソノ杳カナ所 燃エ煌メク深淵フカミニ難破スル オレノモロ手。擾キミダス 荊棘ヲ 暗イ溝渠カナルト人影ト死ト。ヒルガエル狂気ノ轍ト。一沫ノビテユメン。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
「那須? よく知ってるよ。……そうか、これあ、意外モロかった。や、どうも……」セカセカと立ちかけた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此処に尚、聊か「モロに」語原の可能が許されさうに思ふ。さうとすれば、全体・すつかり・根柢からなど言ふ用語例は、聯想から「モロ」に結びつく為に出来たもの、と説明すべきであるやうだ。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
やはり「モロに」の義で、全体の意とし、その使うてゐる為事為シゴトシが、最近に「足場がもろに倒れるといかぬ」と言うたと教へてくれ、村田春雄君は「電柱がもろに倒れて来た」との例を寄せられた。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)