漫然ぶらり)” の例文
お糸さんを一足先へかえし、私一人あとから漫然ぶらりと下宿へ帰ったのは、彼此かれこれ十二時近くであったろう。もう雨戸を引寄せて、入口のおおランプも消してあった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
自己の暗い過去の影からわれて自棄やけで飛込んで来るのもあるが、多くは学生、店員、職工の中途半端の者や、地方の都会農村から成功を夢みて漫然ぶらりと大都会へ迷い出た者が、大部分だから
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)