てん)” の例文
金粉きんぷんの日をあびて小鳥が飛びかい、樹上に胸をふくらまして千てんてんする。万物がみないきいきとよみがえったのだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
同十九日——「天晴れ、風清く、露冷やかなり。満目黄葉の中緑樹をまじゆ。小鳥こずえてんず。一路人影なし。独り歩み黙思口吟こうぎんし、足にまかせて近郊をめぐる」
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
議論快截かいせつ筆鋒ひっぽう鋭異ニシテ、雅ハ髯蘇ぜんそノ風アリ。詩ハ剣侠ノ仙ヲ学ブガ如シ。時ニ殺気ヲ見ルノ間綿麗ノ語ヲナス。すなわちマタ黄鸝こうりノ百てんスルガ如ク、婉約えんやく喜ブベシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
和毛にこげの胸の白妙しろたへてんずる聲のあはれなる。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
和毛にこげの胸の白妙しろたへてんずる声のあはれなる。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)