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天
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てん
ふりがな文庫
“
天
(
てん
)” の例文
峠と書いてタワ又はタヲと読ませているものが中国には可なり多く、四国には
滑峠
(
なめつとう
)
、
天
(
てん
)
ヶ
峠
(
とう
)
の如くトウと読ませているものさえある。
峠
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
くもの
上
(
うえ
)
に のると、うみへびの からだは だいじゃに ばけました。また、うみぼうずの あたまは
天
(
てん
)
まで とどきました。
うみぼうずと おひめさま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さて、
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
に
千人
(
せんにん
)
、
家
(
いへ
)
のまはりの
土手
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
に
千人
(
せんにん
)
といふ
風
(
ふう
)
に
手分
(
てわ
)
けして、
天
(
てん
)
から
降
(
お
)
りて
來
(
く
)
る
人々
(
ひと/″\
)
を
撃
(
う
)
ち
退
(
しりぞ
)
ける
手
(
て
)
はずであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
而
(
しか
)
るに
形躯
(
けいく
)
を
変幻
(
へんげん
)
し、
草
(
そう
)
に
依附
(
いふ
)
し、
天
(
てん
)
陰
(
くも
)
り雨
湿
(
うるお
)
うの
夜
(
よ
)
、月落ち
参
(
しん
)
横たわるの
晨
(
あした
)
、
梁
(
うつばり
)
に
嘯
(
うそぶ
)
いて声あり。其の
室
(
しつ
)
を
窺
(
うかが
)
えども
睹
(
み
)
ることなし。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
恁
(
か
)
くてぞありける。あゝ、
日
(
ひ
)
は
何時
(
いつ
)
ぞ、
天
(
てん
)
より
星
(
ほし
)
一
(
ひと
)
つ、はたと
落
(
お
)
ちて、
卵
(
たまご
)
の
如
(
ごと
)
き
石
(
いし
)
となり、
其
(
そ
)
の
水上
(
みなかみ
)
の
方
(
かた
)
よりしてカラカラと
流
(
なが
)
れ
來
(
く
)
る。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
騙詐
(
かたり
)
が
世渡
(
よわた
)
り
上手
(
じやうず
)
で
正直
(
しやうぢき
)
が
無気力漢
(
いくぢなし
)
、
無法
(
むはう
)
が
活溌
(
くわつぱつ
)
で
謹直
(
きんちよく
)
が
愚図
(
ぐづ
)
、
泥亀
(
すつぽん
)
は
天
(
てん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
鳶
(
とんび
)
は
淵
(
ふち
)
に
躍
(
をど
)
る、さりとは
不思議
(
ふしぎ
)
づくめの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
ぞかし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
天
(
てん
)
にでもいゝ、
地
(
ち
)
にでもいゝ、
縋
(
すが
)
らうとする
心
(
こゝろ
)
、
祈
(
いの
)
らうとする
希
(
ねが
)
ひが、
不純
(
ふじゆん
)
な
沙
(
すな
)
を
透
(
とほ
)
して
清
(
きよ
)
くとろ/\と
彼女
(
かのぢよ
)
の
胸
(
むね
)
に
流
(
なが
)
れ
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
いまだ
一三
高野山を見ず、いざとて、夏のはじめ青葉の
茂
(
しげ
)
みをわけつつ、
一四
天
(
てん
)
の川といふより
踰
(
こ
)
えて、
一五
摩尼
(
まに
)
の御山にいたる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
乳母
天
(
てん
)
は
如何
(
どう
)
あらうと、ロミオは
無慈悲
(
むじひ
)
ぢゃ。おゝ、ロミオどのが、ロミオどのが! ……
誰
(
た
)
れが
思
(
おも
)
ひがけうぞい? ロミオどのが!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いや三月十三日の
寅
(
とら
)
ノ一
天
(
てん
)
(午前四時)から
辰
(
たつ
)
ノ
刻
(
こく
)
(午前八時)までとあるから厳密には早朝一ト煙の市街戦だったといってよい。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「でもわたしはあなたを
天
(
てん
)
へ
帰
(
かえ
)
したくないのです。それよりもわたしの
所
(
ところ
)
へおいでなさい。いっしょに
楽
(
たの
)
しく
暮
(
く
)
らしましょう。」
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
何
(
な
)
んと
奇妙
(
きめう
)
ではありませんか、これ
等
(
ら
)
が
天
(
てん
)
の
紹介
(
ひきあはせ
)
とでも
云
(
い
)
ふものでせう、
實
(
じつ
)
は
私
(
わたくし
)
の
妻子
(
さいし
)
も、
今夜
(
こんや
)
の
弦月丸
(
げんげつまる
)
で
日本
(
につぽん
)
へ
皈國
(
かへり
)
ますので。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(2)
三位一体
(
さんみいったい
)
というのは、キリスト
教
(
きょう
)
で、父である
天
(
てん
)
の
神
(
かみ
)
と、子であるキリストと、
聖霊
(
せいれい
)
の三つはもともと一体であるという
教理
(
きょうり
)
です。
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
今の大多数は質に置くべき好意さえ
天
(
てん
)
で持っているものが少なそうに見えた。いかに
工面
(
くめん
)
がついても受出そうとは思えなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
産業別の生産組合は、或る一つの企業をやるとき、必ず
天
(
てん
)
から勤労者福祉資金何割というものを予算に加えて仕事をはじめる。
「鎌と鎚」工場の文学研究会
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
さういふ
天
(
てん
)
の
世界
(
せかい
)
にとゞくやうな、
空気
(
くうき
)
の
稀薄
(
うす
)
いところでは、あれあれといふ
間
(
ま
)
もなく、千
年
(
ねん
)
位
(
ぐらゐ
)
の
年月
(
としつき
)
が
流
(
なが
)
れてしまふさうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
犯すに至れること恐るべき次第なり
然
(
され
)
ども
天
(
てん
)
誠
(
まこと
)
を
照
(
てら
)
し給ふにより大岡越前守殿の如き
賢
(
けん
)
奉行の
明斷
(
めいだん
)
に依て
遁
(
のが
)
れ難き死刑一等を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されども
天
(
てん
)
は
美人
(
びじん
)
を
生
(
う
)
んで
美人
(
びじん
)
を
惠
(
めぐ
)
まず
多
(
おほ
)
くは
良配
(
りやうはい
)
を
得
(
え
)
ざらしむとかいへり、
彌生
(
やよひ
)
の
花
(
はな
)
は
風
(
かぜ
)
必
(
かなら
)
ずさそひ
十五夜
(
じふごや
)
の
月
(
つき
)
雲
(
くも
)
かゝらぬはまことに
稀
(
まれ
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこに映る自分の姿をみると、例のとおり
怒髪
(
どはつ
)
天
(
てん
)
をつき、髭は鼻の下をがっちりと固めているという勇ましい有様だった。
不思議なる空間断層
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あまさかるは、やはり
枕詞
(
まくらことば
)
で、ひなのひといふ
語
(
ご
)
を
起
(
おこ
)
してゐます。
意味
(
いみ
)
は、
天
(
てん
)
に
遠
(
とほ
)
くかゝつてゐる
日
(
ひ
)
といふことなんです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
も
埃
(
ほこり
)
が
天
(
てん
)
を
焦
(
こが
)
して
立
(
た
)
つた。
其
(
そ
)
の
埃
(
ほこり
)
は
黄褐色
(
くわうかつしよく
)
で
霧
(
きり
)
の
如
(
ごと
)
く
地上
(
ちじやう
)
の
凡
(
すべ
)
てを
掩
(
おほ
)
ひ
且
(
か
)
つ
包
(
つゝ
)
んだ。
雜木林
(
ざふきばやし
)
は一
齊
(
せい
)
に
斜
(
なゝめ
)
に
傾
(
かたぶ
)
かうとして
梢
(
こずゑ
)
は
彎曲
(
わんきよく
)
を
描
(
ゑが
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
差
(
さ
)
し
詰
(
づめ
)
志道軒
(
しどうけん
)
なら、一
天
(
てん
)
俄
(
にわか
)
にかき
曇
(
くも
)
り、あれよあれよといいもあらせず、
天女
(
てんにょ
)
の
姿
(
すがた
)
は
忽
(
たちま
)
ちに、
隠
(
かく
)
れていつか
盥
(
たらい
)
の
中
(
なか
)
。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
朕
黎元
(
れいぐわん
)
を
撫育
(
むいく
)
する
事
(
こと
)
梢
(
やや
)
に
年歳
(
とし
)
を経たり。
風化
(
ふうくわ
)
尚
(
なほ
)
壅
(
よう
)
して、
囹圄
(
れいご
)
未
(
いま
)
だ
空
(
むな
)
しからず。
通旦
(
よもすがら
)
寝
(
しん
)
を忘れて
憂労
(
いうらう
)
茲
(
ここ
)
に
在
(
あ
)
り。
頃者
(
このごろ
)
天
(
てん
)
頻
(
しきり
)
に
異
(
い
)
を
見
(
あら
)
はし、地
数
(
しばしば
)
震動す。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
どんな鳥でもとてもあそこまでは行けません。けれども、
天
(
てん
)
の
大烏
(
おおがらす
)
の星や
蠍
(
さそり
)
の星や
兎
(
うさぎ
)
の星ならもちろんすぐ行けます。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「十万億土の夢を見て、
豁然
(
かつぜん
)
として大悟一番したんだ。一
子
(
し
)
出家
(
しゅっけ
)
の
功徳
(
くどく
)
によって
九族
(
きゅうぞく
)
天
(
てん
)
に
生
(
しょう
)
ずというんだから素晴らしい。僕は甘んじて犠牲になる」
合縁奇縁
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ちよとはなし、神の云うこと聞いて呉れ、悪しきの事は云わんでな、この世の
地
(
じい
)
と
天
(
てん
)
とを
形
(
かた
)
どりて、夫婦を拵えきたるでな、これはこの世の始だし。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「懐疑は悲観の
児
(
こ
)
なりサ、
彼女
(
かれ
)
芳紀
(
とし
)
既に二十二—三、
未
(
いま
)
だ
出頭
(
しゆつとう
)
の
天
(
てん
)
無しなのだ、御所望とあらば、僕
聊
(
いさゝ
)
か君の為めに
月下氷人
(
げつかひようじん
)
たらんか、ハヽヽヽヽヽ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼は義太夫の「
天
(
てん
)
の
網島
(
あみじま
)
」は
巣林子
(
そうりんし
)
の原作でなく、半二か誰かの改作であるのをぼんやり記憶していたが、きっとこの文句は原作の方にあるのだろう
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
弥左ヱ門が
雪頽
(
なだれ
)
に熊を得たるは
金一釜
(
きんいつふ
)
を
掘得
(
ほりえ
)
たる
孝子
(
かうし
)
にも
比
(
ひ
)
すべく、
年頃
(
としごろ
)
の
孝心
(
かうしん
)
を
天
(
てん
)
のあはれみ玉ひしならんと人々
賞
(
しやう
)
しけりと
友人
(
いうじん
)
谷鴬翁
(
こくあうをう
)
がかたりき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
けれど
何程
(
なにほど
)
のことがあらうと
運命
(
うんめい
)
を
天
(
てん
)
にゆだね、
夢中
(
むちう
)
になつて
驅
(
か
)
けだしました。それからのことは一
切
(
さい
)
わかりません
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
併
(
しか
)
し
味
(
あぢ
)
の
美
(
び
)
なるものは
多
(
おほ
)
くは
又
(
また
)
同時
(
どうじ
)
に
營養
(
えいやう
)
にも
宜
(
よろ
)
しいので、
人
(
ひと
)
は
不知不識
(
しらず/″\
)
營養
(
えいやう
)
を
得
(
う
)
る
處
(
ところ
)
に
天
(
てん
)
の
配劑
(
はいざい
)
の
妙機
(
めうぎ
)
がある。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
兎
(
うさぎ
)
は
經行
(
きやうぎやう
)
の者を供養せしかば、天帝哀みをなして、月の中にをかせ給ひぬ。今、
天
(
てん
)
を仰ぎ見るに月の中に兎あり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鬼
(
おに
)
の
心
(
こころ
)
になり
切
(
き
)
った
私
(
わたくし
)
は、
両親
(
りょうしん
)
の
好意
(
こうい
)
に
背
(
そむ
)
き、
同時
(
どうじ
)
に
又
(
また
)
天
(
てん
)
をも
人
(
ひと
)
をも
怨
(
うら
)
みつづけて、
生甲斐
(
いきがい
)
のない
日子
(
ひにち
)
を
算
(
かぞ
)
えていましたが、それもそう
長
(
なが
)
いことではなく
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すべてそういう習慣を
天
(
てん
)
から考えの中に入れていない倉地に対して今さらそんな形式事を迫るのは、自分の度胸を見すかされるという上からもつらかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
〔譯〕
毀譽
(
きよ
)
得喪
(
とくさう
)
は、
眞
(
しん
)
に是れ人生の
雲霧
(
うんむ
)
、人をして
昏迷
(
こんめい
)
せしむ。此の雲霧を一
掃
(
さう
)
せば、則ち
天
(
てん
)
青
(
あを
)
く
日
(
ひ
)
白
(
しろ
)
し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
或日瀧口、
閼伽
(
あか
)
の
水
(
みづ
)
汲
(
く
)
まんとて、まだ
明
(
あ
)
けやらぬ空に往生院を出でて、近き泉の方に行きしに、
都
(
みやこ
)
六波羅わたりと覺しき方に、一道の
火焔
(
くわえん
)
天
(
てん
)
を
焦
(
こが
)
して
立上
(
たちのぼ
)
れり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ゆえに
富貴
(
ふうき
)
必ずしも不正ならず、子夏が「
富貴
(
ふうき
)
天
(
てん
)
に在り」と言ったのは、意味の取りようによって富貴必ずしも
悪
(
あく
)
と言えず、むしろ
天
(
てん
)
の
賜物
(
たまもの
)
という意に取れる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
天
(
てん
)
の
川
(
かわ
)
というところでの大敗、
藤本鉄石
(
ふじもとてっせき
)
の戦死、それにつづいて
天誅組
(
てんちゅうぐみ
)
の残党が四方への離散となった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼等
(
かれら
)
は
天
(
てん
)
ぷらを
愛
(
あい
)
するやうに「しるこ」をも
必
(
かなら
)
ず——
愛
(
あい
)
するかどうかは
多少
(
たしよう
)
の
疑問
(
ぎもん
)
はあるにもせよ、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一
應
(
おう
)
はすすめて
見
(
み
)
る
價値
(
かち
)
のあることだけは
確
(
たし
)
かであらう。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小田原
(
をだはら
)
へ
着
(
つ
)
いて
何時
(
いつ
)
も
感
(
かん
)
ずるのは、
自分
(
じぶん
)
もどうせ
地上
(
ちじやう
)
に
住
(
す
)
むならば
此處
(
こゝ
)
に
住
(
す
)
みたいといふことである。
古
(
ふる
)
い
城
(
しろ
)
、
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
、
天
(
てん
)
に
連
(
つ
)
らなる
大洋
(
たいやう
)
、
且
(
か
)
つ
樹木
(
じゆもく
)
が
繁
(
しげ
)
つて
居
(
を
)
る。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
主
(
しゅ
)
よ
願
(
ねが
)
わくは
御
(
おん
)
眸
(
め
)
を
天
(
てん
)
より
垂
(
た
)
れ
給
(
たま
)
え、
爾
(
なんじ
)
が
右手
(
めて
)
もて
植
(
う
)
え
給
(
たま
)
えるこの
葡萄園
(
ぶどうぞの
)
を
見守
(
みまも
)
らせ
給
(
たま
)
え、
訪
(
おとな
)
い
給
(
たま
)
え。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
且つや
天
(
てん
)
一豪傑を鉄門関辺の
碣石
(
けっせき
)
に生じて、カザン(Kazan)
弑
(
しい
)
されて後の大帝国を治めしむ。これを
帖木児
(
チモル
)
(Timur)と為す。
西人
(
せいじん
)
の
所謂
(
いわゆる
)
タメルラン也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
二人
(
ふたり
)
の
者
(
もの
)
他
(
た
)
に
於
(
おい
)
て
心
(
こゝろ
)
を
合
(
あ
)
はせ
何事
(
なにごと
)
にも
求
(
もと
)
めば
天
(
てん
)
に
在
(
いま
)
す
我父
(
わがちゝ
)
は
彼等
(
かれら
)
のためにこれを
為
(
な
)
し
給
(
たま
)
ふべし。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
走
(
はし
)
る
者
(
もの
)
は
以
(
もつ
)
て
(八)
罔
(
あみ
)
を
爲
(
な
)
す
可
(
べ
)
く、
游
(
およ
)
ぐ
者
(
もの
)
は
以
(
もつ
)
て
(九)
綸
(
いと
)
を
爲
(
な
)
す
可
(
べ
)
く、
飛
(
と
)
ぶ
者
(
もの
)
は
以
(
もつ
)
て
(一〇)
矰
(
いぐるみ
)
を
爲
(
な
)
す
可
(
べ
)
し。
龍
(
りよう
)
に
至
(
いた
)
つては、
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
風雲
(
ふううん
)
に
乘
(
じよう
)
じて
天
(
てん
)
に
上
(
のぼ
)
るを
知
(
し
)
ること
能
(
あた
)
はず。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
薄
(
うす
)
き影と、
薄
(
うす
)
き光は、
落花
(
らくゝわ
)
点々
(
てん/\
)
たる庭に落ちて、地を歩す、
宛
(
さ
)
ながら
天
(
てん
)
を
歩
(
あゆ
)
むの
感
(
かん
)
あり。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つてからは、城の内外の
持口々々
(
もちくち/″\
)
に
篝火
(
かゞりび
)
を
焚
(
た
)
き
連
(
つら
)
ねて、
炎焔
(
えん/\
)
天
(
てん
)
を
焦
(
こが
)
すのであつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いわゆる吹雪なるものにして、観測所の光景はあたかも火事場に焼け残りたる土蔵の、白煙の
中
(
うち
)
に包まれたるに似たり故に一
天
(
てん
)
拭
(
ぬぐ
)
うが如く快晴なるも、雪は常に降れるに異ならず
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
天
(
てん
)
も
仁
(
に
)
も暗号書の名で、天は普通暗号、仁は人事に関する暗号である。しかし五郎の口にのぼって来るのは〈暗号符字のまごつきに〉という部分だけであって、あとは元歌通りだ。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
そのご座船を
囲繞
(
いにょう
)
して二十隻の小船が漂っていたが、この日
天
(
てん
)
晴れ気澄み渡り、鏡のような湖面にはただ一点の曇りさえなく、人を恐れず低く飛ぶ小鳥の、矢のように早い影をさえ
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
天
(
てん
)
きり殺された奴の名前からして世間に知て居る人が無い
夫
(
それ
)
だから君何所から手を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
“天”の解説
天(Tiān、てん、あま)は、東洋思想の鍵概念のひとつで、人の上にある存在、人を超えた存在をあらわす。また東洋思想の概念だけでなく、後の時代に中国やアジアに伝来したインド哲学、仏教や、西洋思想・キリスト教 等々に含まれる類似の概念を漢字で表記するためにも「天」という語は用いられている。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“天”を含む語句
天窓
天皇
天鵞絨
天晴
天道
天使
所天
天幕
天下
天井
天稟
天人
聖天
信天翁
毘沙門天
蒼天
天地
天蓋
天降
天日
...