てん)” の例文
新字:
かつらならではとゆるまでに結做ゆひなしたる圓髷まるまげうるしごときに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだま後插あとざしてんじたれば、さら白襟しろえり冷豔れいえんものたとふべきく——
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
天空そらには星影ほしかげてん、二てんた三てんかぜしてなみくろく、ふね秒一秒べういちべうと、阿鼻叫喚あびけうくわんひゞきせて、印度洋インドやう海底かいていしづんでくのである。
もしこれが成功せいこうするならば、飛行船用ひかうせんようなどとしてきはめて有益ゆうえきであり、火山かざん利用りようがこのてんおいても實現じつげんすることになるのであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さいはひ御米およね産氣さんけづいたのは、宗助そうすけそとようのない夜中よなかだつたので、そばにゐて世話せわ出來できるとてんからればはなは都合つがふかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして一目見るとすぐに、すこしあけツはなしのてんのあるかはりには、こせつかぬ、おツとりとした、古風こふう顔立かほだてであることを見て取ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
かういふてんからますと、これらの土器どきおそらく專門せんもん土器製造人どきせいぞうにんが、その工場こうばつくつたのを各地かくちしたものにちがひありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あかるいひかり滿ちた田圃たんぼ惑亂わくらん溷濁こんだくしたこゝろいだいてさびしく歩數あゆみんでかれは、玻璃器はりきみづかざして發見はつけんした一てん塵芥ごみであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
のびやかで、ひっぱりげるような調子ちようしが、あるてんまでつて、ぴったりとちつきよくをさまつてゐるではありませんか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、これつたことばです、智者ちしや哲人てつじんしくは思想家しさうかたるものゝ、他人たにんことなところてんは、すなはこゝるのでせう、苦痛くつうかろんずるとことに。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そこに球突塲たまつきばがあつたので聊のまゝ運動うんどうがてら二十てんといふところあたりからならひ出したのが、病みつきのはじめだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
斯樣かやうすればわるい、何故なにゆゑわるいかといふてん自分じぶんこゝろはせてて、自分じぶん其理由そのりいう發明はつめいし、成程なるほどこれはい、わるいといふところ自分じぶん合點がつてんせしむる。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
最後さいご此新横穴このしんよこあなからの發見物はつけんぶつつひて、もつと注意ちういすべきてん附記ふきしてく。それは、供物ぐぶつらしき魚骨ぎよこつ發見はつけんと、俵形土器ひやうけいどきなかから、植物しよくぶつらしきものた二である。
このてんにおいて支那しなはさすがに徹底てつていしてゐる。如何いかなる場合ばあひにも姓名せいめい轉倒てんたうするやうなえんじない。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
すなはその二十分時ぶんじとは長針ちやうしんの十二ところいたまで二十分時ぶんじあるとふことにて、いづれも長針ちやうしんは十二もとにし盤面ばんめんにある六十のてんかぞへて何時なんじ何分時なんぶんじふことをるべし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
ペンペのからだがくろちひさなてんになつて、グーッグーッときりむやうに下界したちてゆくのがわかつた。やがてそれもえなくなつてしまつた。ペンペはどうなつたらうか。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
いはなはいろすこくろはらあかてんがあり、やまめはいろしろたてうつくしい藍色あゐいろすぢがあります。またやまめのくちはいはなよりすことがつてゐて、おほきさはとも七八寸しちはつすんがとまりです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
櫻色さくらいろにもあらず、緋桃ひもゝはなでもなし、りたてたるつむりよりかほより首筋くびすぢにいたるまで銅色あかゞねいろりに一てんのにごりもく、白髮しらがもまじるふとまゆをあげてこゝろまかせの大笑おほわらひなさるゝとき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
捨てこそ有なれと思ふも果敢はかなき小女氣むすめぎなり彼の一しやう苦勞くらうは他人によりさうの玉手千人まくらし一てんくちびる萬客になめらるゝと云ふつらつとめの其中の心の底を打明て語るお方は唯一人と小夜衣がまこと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
看護の尼、いまともしびてんじて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
止むことのないてん……點
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
太綱ふとづな一端いつたん前齒まへばくはへてする/\と竿さをのぼりてたゞち龍頭りうづいたる。蒼空あをぞらひとてんあり、飄々へう/\としてかぜかる。これとするにらず。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のこるところは其考案そのこうあん實施じつし如何いかんといふてん歸着きちやくする。しか其實施そのじつし一時いちじ數十萬圓すうじゆうまんえん年々ねん/\十萬圓じゆうまんえん費用ひようにて出來でき程度ていどである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
勿論もちろん外形ぐわいけいあらはれてもなにいぶかしいてんはないが、すこしくわたくし異樣ゐやうおぼえたのは、さう噸數とんすう一千とんくらゐにしてはその構造かうざうあまりに堅固けんごらしいのと
利害りがい打算ださんからへば無論むろんことたん隣人りんじん交際かうさいとか情誼じやうぎとかてんからても、夫婦ふうふはこれよりも前進ぜんしんする勇氣ゆうきたなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのてんはもちろんかんがへねばなりませんが、さうかといつて、このうたがよいうただとおもふのは、たいへんいけないことです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
これのおてらをよくると、みなさんはいろ/\つくかたちがつてゐるてんがわかり、またむかし建築けんちくがいかにも出來できてゐることにがつくのですが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
つぎまをしたいのは責任せきにんみづからるといふのてんであります。英學塾えいがくじゆく寄宿舍きしゆくしやには唯今たゞいま五十めいらずの生徒せいとます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
つまり調てう子がよければ持てんを一き切る事もたびたびで、自然しぜんかちが多いが、それがぎやくになると、どうにもたりがわるくて、負がかさなつて苛々しい
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
不足ふそくてん適當てきたう外語ぐわいごもつ補充ほじうするのはつかへないが、ゆゑなく舊來きうらい成語せいごてゝ外國語ぐわいこくご濫用らんようするのは、すなはみづからおのれを侮辱ぶじよくするもので、もつてのほか妄擧まうきよである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さけ其處そこてんじた。にはの四ほん青竹あをだけつたなはあかあをきざんだ注連しめがひら/\とうごきながら老人等としよりらひとつに私語さゝやくやうにえた。陽氣やうきにはへ一ぱいあたゝかなひかりなげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
横穴よこあな何處どこまでも横穴よこあなであるが、内部ないぶ構造かうぞう多少たせう注意ちういすべきてんもあり。
森林しんりん洪水こうずいがいふせぎ、かはみづ不斷ふだんえずながし、水田すいでんをもからさないといふてんで、土地とち安全あんぜんたもつてくれる效用こうようがあることがわかつてたので、以來いらいはじめて森林しんりん保護ほごしてそだてるようになり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
實際じつさい地震學ぢしんがく或方面あるほうめんでは、日本につぽん研究けんきゆうもつとすゝんでゐるてんもあるけれども、其他そのた方面ほうめんおいてはかならずしもさうでない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
夫婦ふうふ和合わがふ同棲どうせいといふてんおいて、人並ひとなみ以上いじやう成功せいこうしたと同時どうじに、子供こどもにかけては、一般いつぱん隣人りんじんよりも不幸ふかうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いまはそれさへ天涯でんがい彼方かなたちて、見渡みわたかぎ黒暗々こくあん/\たるうみおも、たゞ密雲みつうん絶間たへまれたるほしひかりの一二てん覺束おぼつかなくもなみ反射はんしやしてるのみである。
これは近頃ちかごろ西洋せいよう文明ぶんめいがはひつててもおなじことで、いかに西洋風せいようふうならつても、あるてんには日本人につぽんじんには日本人につぽんじんらしい趣味しゆみ特質とくしつが、えないのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
恐らく洗煉琢磨せんれんたくまされ、その表現の一々がテエマにたいして少しの無駄むだも、少しのゆるみもなく、簡潔緊張かんけつきんちやうきはめてゐるてんに於て、志賀氏の作品程さくひんほどなのはありません。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ぞんじのとほり、品行方正ひんかうはうせいてんは、ともだちが受合うけあふが、按摩あんまいたつては、しかだんじて處女しよぢよである。錢湯せんたうでながしをつても、ばんとうにかたさはらせたことさへない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また作文さくぶんにしても間違まちがつたところがあればしるしけてだけで、滅多めつた間違まちがひてん説明せつめいしてかさない。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
だからそのてんにおいて、そのおうたが、第一番だいゝちばんのものでなくとも、なに失望しつぼうする必要ひつようはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
くまで木造もくざうてんりですゝんだか、これは畢竟ひつけう地震ぢしん考慮かうりよしたゝめではなからうか
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しか勘次かんじはなつてるのはあし爪先つまさき二三じやくの、いま唐鍬たうぐはもつ伐去きりさつてはるかうしろいてそつとてたあとの一てんである。ほこりつちいくらでもうるほひをつたかれあしもとからはたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
以上いじやうてんさかうへ貝塚かひづかからたといふのである。
そして時たま友たちなんかとどこともない球突塲たまつきばいてはみるが、以前ほどおも白くない、持てんも百てんせう無理むりになつてまあ八十てんといふところになつてしまつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
その大正十二年たいしようじゆうにねん噴火ふんかおいては、やま東側ひがしがは西側にしがはとに東西とうざいはし二條にじよう裂目さけめしようじ、各線上かくせんじよう五六ごろくてんから鎔岩ようがん流出りゆうしゆつした。この状態じようたいはエトナしきしようすべきである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
濱野はまのさんがかへつてから、その一枚いちまいみづひたして、そして佛壇ぶつだんあかりてんじた。つゝしんでまもつたのである
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このてんむかつては我輩わがはい衷心ちうしん歡喜くわんききんぬのである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
をとこそのうなじかうとしたが、フトらすみづおも、一てんえないでのこつてたので。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところが、支那しなではぜいがかゝらないので、在留ざいりう日本人たちは、みんな立派りつは器械きかいを持つてゐる。いつもそのてんではがひけたが、印畫いんぐわを見せてもらふとあん心した。
讀者どくしやこゝろみに地震計ぢしんけい原理げんり想像そう/″\してみるがよい。地上ちじよう萬物ばんぶつ地震ぢしんのときみなすのに、自分じぶんだけ空間くうかんもとてんからうごかないといふような方法ほう/\工夫くふうしなければなるまい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)