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終點
読み方 | 割合 |
しゆうてん | 50.0% |
しうてん | 50.0% |
宗助が
電車の
終點迄來て、
運轉手に
切符を
渡した
時には、もう
空の
色が
光を
失ひかけて、
濕つた
徃來に、
暗い
影が
射し
募る
頃であつた。
降りやうとして、
鐵の
柱を
握つたら、
急に
寒い
心持がした。
電車の
終點から
歩くと二十
分近くも
掛る
山の
手の
奧丈あつて、まだ
宵の
口だけれども、
四隣は
存外靜かである。
時々表を
通る
薄齒の
下駄の
響が
冴えて、
夜寒が
次第に
増して
來る。
宗助は
懷手をして
私たちは
七丁目の
終點から
乘つて
赤坂の
方へ
歸つて
來た……あの
間の
電車は
然して
込合ふ
程では
無いのに、
空怪しく
雲脚が
低く
下つて、
今にも
一降來さうだつたので、
人通りが
慌しく、
一町場二町場