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白髮
読み方 | 割合 |
しらが | 79.2% |
はくはつ | 8.3% |
しらかみ | 4.2% |
かみ | 4.2% |
しらがあたま | 4.2% |
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卯平は
何時の
間に
誰がさうしたのか
筵の
上に
横たへられてあつた。
彼は
少い
白髮を
薙ぎ
拂つて
燒いた
火傷のあたりを
手で
掩うて
居た。
洪水の
去つた
後は、
丁度過激な
精神の
疲勞から
俄に
老衰した
者の
如く、
半死の
状態を
呈した
草木は
皆白髮に
變じて
其の
力ない
葉先を
秋風に
吹き
靡かされた。
げに
白髮のものゝふの
劍の霜を拂ふごと
針金のやうな
火をちらりと
持つた
落葉の
一ひら/\が
煙と
共に
輕く
騰つた。
落葉は
直ぐに
白い
灰に
化つて
更に
幾つかに
分れて
與吉の
頭髮から
卯平の
白髮に
散つた。
それは
席の
末座に
列つて
居つた
一個の
年老たる
伊太利の
婦人で、
此女は
日出雄少年の
保姆にと、
久しき
以前に、
遠き
田舍から
雇入れた
女の
相で、
背の
低い、
白髮の、
極く
正直相な
老女であるが