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白髮
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ふりがな文庫
“
白髮
(
しらが
)” の例文
新字:
白髪
卯平
(
うへい
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
誰
(
たれ
)
がさうしたのか
筵
(
むしろ
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
たへられてあつた。
彼
(
かれ
)
は
少
(
すくな
)
い
白髮
(
しらが
)
を
薙
(
な
)
ぎ
拂
(
はら
)
つて
燒
(
や
)
いた
火傷
(
やけど
)
のあたりを
手
(
て
)
で
掩
(
お
)
うて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかしそれは着物を着てゐて、馬の
鬣
(
たてがみ
)
のやうに荒々しい、黒い
白髮
(
しらが
)
まじりの房々とした毛が頭と顏をかくしてゐるのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
確
(
しつか
)
り者と言つても、取つてたつた十八の娘が、不意に鼻の先へ眼を剥いた
白髮
(
しらが
)
ツ首を突き付けられたのですから、驚いたのも無理はありません。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
掲げ其中より
取出
(
とりいだ
)
したる
柳樽
(
やなぎだる
)
も
家内
(
かない
)
喜多留
(
きたる
)
と
記
(
しる
)
しゝは妻を
娶
(
めとる
)
の祝言にや
麻
(
あさ
)
を
白髮
(
しらが
)
とかい附しは麻の如くに
最
(
いと
)
直
(
すぐ
)
に
共
(
とも
)
白髮
(
しらが
)
まで
消光
(
くらす
)
なる可し其の
外
(
ほか
)
鯣
(
するめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(子ましまさず。)また都夫良意富美が女、
韓比賣
(
からひめ
)
に
娶
(
あ
)
ひて、生みませる御子、
白髮
(
しらが
)
の命、次に
妹
(
いも
)
若帶
(
わかたらし
)
比賣の命二柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
「榮さんよりや才さんの方が老けて見えるがな。才さんの頭にや
白髮
(
しらが
)
が仰山生えてる。もう若白髮ぢやないなあ。」
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「あんた、ちよツとも
白髮
(
しらが
)
がおまへんな。毛も多いし、入れ毛してなはるんか、眞ン中は
禿
(
は
)
げてまツしやろ。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
み眼清く
切
(
きれ
)
長くます。やさしきは
夫
(
つま
)
にのみかは、その子らに、その子の子らに、なべて
愛
(
かな
)
しく
白髮
(
しらが
)
づく母。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
昔上田秋成は年頃いたづきける
書
(
ふみ
)
深き井の底に沈めてかへり見ず、われはそれだに得せず。ことし
六十
(
むそ
)
あまり二つの老を重ねて
白髮
(
しらが
)
かき垂り齒脱けおち見るかげなし。
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
櫻色
(
さくらいろ
)
にもあらず、
緋桃
(
ひもゝ
)
の
花
(
はな
)
でもなし、
剃
(
そ
)
りたてたる
頭
(
つむり
)
より
顏
(
かほ
)
より
首筋
(
くびすぢ
)
にいたるまで
銅色
(
あかゞねいろ
)
の
照
(
て
)
りに一
點
(
てん
)
のにごりも
無
(
な
)
く、
白髮
(
しらが
)
もまじる
太
(
ふと
)
き
眉
(
まゆ
)
をあげて
心
(
こゝろ
)
まかせの
大笑
(
おほわら
)
ひなさるゝ
時
(
とき
)
は
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
初冬
(
はつふゆ
)
の凍つた明い朝なぞ、忽然冷えきつた鏡の
面
(
おもて
)
に、
顳顓
(
こめかみ
)
の
白髮
(
しらが
)
を見出した時の
驚愕
(
おどろき
)
、絶望、其れは事實に對する恐怖であるが、これは自分の心が生みだす空想の恐怖である
幻覺
(
ハルシネイシヨン
)
である。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
その平地の其處此處に二軒三軒とあはれな人家が散在して、木がくれにかすかな煙をあげて居る。自分の生れた家もその中に
混
(
まじ
)
つて居るので、
白髮
(
しらが
)
ばかりのわが老父母はいまだに健在である。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
老婆は、つぶやくやうな、うめくやうな聲を立てながら、まだ
燃
(
も
)
えてゐる火の光をたよりに、
梯子
(
はしご
)
の口まで、這つて行つた。さうして、そこから、短い
白髮
(
しらが
)
を倒にして、門の下を
覗
(
のぞ
)
きこんだ。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ずらりと
女學生
(
ぢよがくせい
)
たちを
從
(
したが
)
へて、
頬
(
ほゝ
)
と
頤
(
あご
)
をだぶ/″\、
白髮
(
しらが
)
の
渦
(
うづまき
)
を
卷
(
ま
)
かせて、
恁
(
か
)
う
反身
(
そりみ
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
所
(
ところ
)
が、
何
(
なん
)
ですかね
私
(
わたし
)
には、
彼處
(
あすこ
)
に
居
(
ゐ
)
る、
其
(
そ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
を、
救助船
(
たすけぶね
)
で
濟度
(
さいど
)
に
顯
(
あらは
)
れたやうに
見
(
み
)
えたんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
非人
(
ひにん
)
が
來
(
き
)
て、
死者
(
ししや
)
の
手
(
て
)
や、
足
(
あし
)
を
捉
(
とら
)
へて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
引込
(
ひきこ
)
んで
了
(
しま
)
ふのだ、うツふ! だが
何
(
なん
)
でもない……
其換
(
そのかは
)
り
俺
(
おれ
)
は
彼
(
あ
)
の
世
(
よ
)
から
化
(
ば
)
けて
來
(
き
)
て、
此處
(
こゝ
)
らの
奴等
(
やつら
)
を
片端
(
かたツぱし
)
から
嚇
(
おど
)
して
呉
(
く
)
れる、
皆
(
みんな
)
白髮
(
しらが
)
にして
了
(
しま
)
つて
遣
(
や
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
裏
(
うら
)
の
老爺
(
ぢい
)
さん、
白髮
(
しらが
)
になつた
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
いまは頭も
白髮
(
しらが
)
となり
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「
痛
(
え
)
てえか、そんでもたえしたこともねえから
心配
(
しんぺえ
)
すんなよ」おつぎは
火
(
ひ
)
に
薙
(
な
)
ぎ
拂
(
はら
)
はれた
穢
(
きたな
)
い
卯平
(
うへい
)
の
白髮
(
しらが
)
へそつと
手
(
て
)
を
當
(
あて
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「へえ、妙なことをするんですね。」おたねは
禿
(
はげ
)
よりも頭の眞中に
白髮
(
しらが
)
の多いのに初めて氣付いて、「白髮の生えるのもそのせゐか知らん。」と
呟
(
つぶや
)
いた。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
御子、
白髮
(
しらが
)
の
大倭根子
(
おほやまとねこ
)
の命
一
、
伊波禮
(
いはれ
)
の
甕栗
(
みかくり
)
の宮
二
にましまして、天の下治らしめしき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「三輪の親分、この髮の毛は三筋とも色合ひも形も違つてゐるのはどういふわけだらう、——一本はひどい
縮
(
ちゞ
)
れつ毛だし、一本は少し
白髮
(
しらが
)
になりかけて居るし、そしてあとの一本は、絹絲のやうに細くて、恐しく素直だぜ」
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
※等
(
あねら
)
も
酷
(
ひど
)
かんべ
野
(
の
)
らは」と
彼
(
かれ
)
はおつたの
染
(
そ
)
めつゝあつた
髮
(
かみ
)
が、
交
(
まじ
)
つた
白髮
(
しらが
)
をほんのりと
見
(
み
)
せるまでに
藥
(
くすり
)
の
褪
(
さ
)
めて
穢
(
きた
)
なく
成
(
なつ
)
つたのを
見
(
み
)
つゝいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
髮
部首:⾽
15画
“白髮”で始まる語句
白髮部
白髮頭
白髮首
白髮交