“へつら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
72.4%
17.2%
5.7%
1.1%
諂諛1.1%
1.1%
阿諛1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
へつらつてもらはなくちやならない——音樂にダンスに交際社界がなくちやならない——でなければがつかりして滅入めいり込んでしまふ。
其の中に阿部忠五郎という奴は、見掛けは弱々しい奴で、腹の中は良くない奴で、大伴にへつらいまして金でも貰おうという事ばかり考えて居ります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
勘次は安次のへつらう容子を見るとまた不快になった。そのまま内庭へ這入って行って叺を下ろすと、流し元にいたお霜が嶮しい顔をして彼の傍へ寄って来た。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
子貢しこう曰く、貧にしてへつらうことなく、富みておごることなくんば如何と。子曰く、可なり、未だ貧にして楽み、富みて礼を好む者にかざるなりと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
左様さうぢやないか——世間体の好いやうな、自分で自分に諂諛へつらふやうなことばかり並べて、其を自伝と言つてひと吹聴ふいちやうするといふ今の世の中に
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
長沢権左衛門頭を上げろ! おのれ名主の身でありながら、支配内の百姓の辛苦を察せず、郡奉行手先と結托し、苛斂誅求かれんちゅうきゅうの手助けをなし、上にへつらい下をしいたげるさえ、不届き至極と存ぜしに
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
惡太郎共に紙や色鉛筆の賄賂わいろを使うて阿諛へつらふやうな不憫ふびんな眞似もするだらうがなどと子供の上に必定ひつじやう起らずにはすまされない種々の場合の悲劇を想像して、圭一郎は身をかれるやうな思ひをした。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)