トップ
>
諛
>
へつら
ふりがな文庫
“
諛
(
へつら
)” の例文
鬼王あるいは
諛
(
へつら
)
い、あるいは脅してとうとうヤモリから秘を聞き、一度唱えると天門たちまち大いに開け鬼王帝釈に化けて宮中に入る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其の中に阿部忠五郎という奴は、見掛けは弱々しい奴で、腹の中は良くない奴で、大伴に
諛
(
へつら
)
いまして金でも貰おうという事ばかり考えて居ります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、若い音楽家が自分の音楽的
天稟
(
てんぴん
)
を話しに来て、彼の同情をひくつもりで彼に
諛
(
へつら
)
うと、それに向かって尋ねた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人に
諛
(
へつら
)
うものなり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
すなわち……李太白が玄宗皇帝の
淫蕩
(
いんとう
)
と、
栄耀栄華
(
えいようえいが
)
に
媚
(
こ
)
び
諛
(
へつら
)
った詩を作って、御寵愛を
蒙
(
こうむ
)
ったお蔭で、天下の大詩人となったのを見た呉青秀は、よろしい。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
我は
諛
(
へつら
)
はんことを欲せず。又藝術は我等の批評もて輕重すべきものにあらず。されど我は夫人に告げんとす。夫人よ、
渠
(
かれ
)
の即興詩をいかなる者とか思ひ給ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
貴様、そういうような
諛
(
へつら
)
った真似をするから、みんなからも
爪
(
つま
)
はじきされるんじゃ。女将も女将じゃ。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いつか一度は、世界のどこかで、めぐり合う幕である。むす子の白々しさに多くの女が無力になって幾分
諛
(
へつら
)
い懐しむのには、こういう秘密な魔力がむす子にひそんでいるからではあるまいか。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
誰れに恐れる事も
諛
(
へつら
)
う事も入らぬ、
唯我独尊
(
ゆいがどくそん
)
の生涯で愉快だろうと夢のような
呑気
(
のんき
)
な事を真面目に考えていた。それで肺炎から結核になろうと、なるまいと、そんな事は念頭にも置かなかった。
枯菊の影
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と、
諛
(
へつら
)
うように、平馬はいって
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
(
諛
(
へつら
)
ふ如く、物欲しげに。)
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
多くの阿呆どもに聞かれたりがやがや言われたり
諛
(
へつら
)
われたりするよりは、少数のりっぱな人々に愛せられ理解される方が、はるかにましでりっぱではないか。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
さる程に此事を伝へ聞きし人々、おのづから、われに
諛
(
へつら
)
ひ寄り来るさへをかしきに、程なく藩の月番家老よりお
召出
(
めしだし
)
あり。武芸学問、出精抜群の段御賞美あり。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さらばおん身は何故に、
世擧
(
よこぞ
)
りて我を譽め我に
諛
(
へつら
)
ふ時我を棄てゝ去り、今ことさらに我が世に棄てられたる
殘躯
(
ざんく
)
の色も香もなきを
訪
(
とぶら
)
ひ給ふぞ。われ。情なき事をな
宣給
(
のたま
)
ひそ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
われわれはいつも裏切られており、彼らはわれわれと同人種であることを許されんために、敵に
諛
(
へつら
)
ってばかりいるのだ——民衆からわれわれは見捨てられていて
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と三好が
諛
(
へつら
)
うように又野を見上げた。その時に又野がパッタリと立止まった。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
諛
漢検1級
部首:⾔
15画
“諛”を含む語句
阿諛
諂諛
謟諛
諛言
諛辞
阿諛者
阿諛追従
直諛
阿諛便佞
阿諛佞奸
阿諛佞弁
諛評
阿諛的
諛墓
阿諛苟合
阿諛諂佞
阿諛謟佞
阿諛軽薄
阿諛迎合
媚諛