“おもね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
72.2%
16.7%
5.6%
2.8%
阿諛2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
権勢にも富貴にもおもねらぬ境遇の気楽さは食祿と家名に縛られて、牢獄の中にいる大名に比べて、どちらが本当の幸せであろう。
ただ上官へのおもねりや依怙えこひいきだけに依って保っている存在とはちがう。よくも悪くも、やはり時務にかかるとそれだけの腕はある人間だった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
得意気に、ややおもねって、ええ、さてと、帽子のつばを一つ叩くと
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
流石に巴里の中心地もどことなくアメリカ人の好みにおもねってアメリカ化されているけはいを感じた。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「お察し申しますよ」と、年増はすこし阿諛おもねるようにしみじみ言った。「向柳原はほんとうにどうしたんでしょう。まったく不実ふじつですね。そんな義理じゃないでしょうが……」
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)