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諂
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へつ
ふりがな文庫
“
諂
(
へつ
)” の例文
人は呼ばぬに来りて
諂
(
へつ
)
らひ、我は好まぬ
夫人交際
(
おくさまつきあい
)
、それにも上坐を譲られて、今尾の奥様とぞ、囃し立てらるる。これがそも人生の不幸かや。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
もとより身は
黄門
(
こうもん
)
の高貴にあるし、
剛愎
(
ごうふく
)
な性情なので、ひとに屈したり
諂
(
へつ
)
らうことなど知りそうもないが、若い者たちの心をよく酌んで、稀に
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが誤解する
勿
(
なか
)
れ、著者は民衆に
諂
(
へつ
)
らうところの民衆主義者でなく、逆に彼等を
罵倒
(
ばとう
)
し、軽蔑するところの民衆主義者だ。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
諂
(
へつ
)
らい武士の洞院左膳を総大将にして向かわせたはいいが、先月初めの合戦で鳥居峠は敵に奪われ、士気の
沮喪
(
そそう
)
したそのおりから、
御嶽冠者
(
みたけかじゃ
)
の軍勢が
山砦
(
さんさい
)
から
驀地
(
まっしぐ
)
らに下だって来て、上中沢、下中沢
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
治郎左衛門は、敢えて、
諂
(
へつ
)
らわなかった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“諂”の解説
諂 (てん)(sa: śāṭhya、シャーティヤ)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
心の邪曲。へつらうこと。自分だけの利益や世間の評判(名聞利養)を得るがために、他者をだまして迷わそうとして、私心を隠して人に媚びへつらい等など従順を装い、人の心を操縦する心である。もしくは、このような手段をもって、自分のなした過ちを隠蔽せんとする心である。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
諂
漢検1級
部首:⾔
15画
“諂”を含む語句
諂諛
諂曲
諂佞
諂媚
諂辞
辞色諂佞
阿諛諂佞