暗黒くらき)” の例文
何思う間もなくたちまち深井しんせい暗黒くらきにおちたるこの身は、何の楽しみあり、何のかいありて、世にながらえんとはすべき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
暗黒くらきに住みなれたものは、暗黒くらきに物を見ると同じ事で、不自然なる境におかれたる少年は何時いつしかその暗き不自然の底にひそんで居る黒点を認めることが出来たのだろうと思います。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この生命は人の光なりき。光は暗黒くらきに照る。しかして暗黒は之を悟らざりき。云々。