“うすやみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄闇52.4%
薄暗40.5%
幽暗2.4%
微闇2.4%
薄暗黒2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのときだれしのあしに、おれのそばたものがある。おれはそちらをようとした。が、おれのまはりには、何時いつ薄闇うすやみちこめてゐる。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
で、この馬が近づいて來るのを、そして薄暗うすやみのなかに現はれて來るのを凝と見てゐるとき、私はベシーの話の何かを思ひ出した。
その頃はもう日没が迫っていて、壮大な結構は幽暗うすやみの中に没し去り、わずかに円華窓から入って来る微かな光のみが、冷たい空気の中で陰々とゆらめいていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は足の向いている方へと微闇うすやみの中を歩いて往った。百歩ばかり往ったところで微白ほのじろい光が見えた。そこには大きな岩がでっぱっていた。岩にいて廻ると明るい昼の世界があった。
申陽洞記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わかってみれあなあんのこった、われでせえ取りちげえるくれえだから、酔いと薄暗黒うすやみのなかで、久七めが——いや、これあむりもなかろうじゃあねえか
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)