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薄闇
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うすぐら
ふりがな文庫
“
薄闇
(
うすぐら
)” の例文
自動車を
還
(
かえ
)
して、二人で探偵社の
薄闇
(
うすぐら
)
い応接室へ入って行ったが、しばらく待たされている間に小夜子は思いついたように
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
火
(
ひ
)
は
乾燥
(
かんさう
)
した
藁束
(
わらたば
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
舐
(
ねぶ
)
つて、
更
(
さら
)
に
其
(
その
)
焔
(
ほのほ
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
から
遁
(
のが
)
れようとして
屋根裏
(
やねうら
)
を
偃
(
は
)
うた。それが
迅速
(
じんそく
)
な
火
(
ひ
)
の
力
(
ちから
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
の
活動
(
くわつどう
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其頃
(
そのころ
)
武内
(
たけのうち
)
は
富士見町
(
ふじみちやう
)
の
薄闇
(
うすぐら
)
い
長屋
(
ながや
)
の
鼠
(
ねづみ
)
の
巣
(
す
)
見たやうな
中
(
うち
)
に
燻
(
くすぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
ながら
太平楽
(
たいへいらく
)
を
抒
(
なら
)
べる元気が
凡
(
ぼん
)
でなかつた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さ、どうしてでございましょうか? 二、三日前にも、
薄闇
(
うすぐら
)
くなってから門の前に立って、じろじろお邸の中を
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
わざと
薄闇
(
うすぐら
)
くした電燈の光に照されたその顔は、非常に蒼白く、唇は少しく紫がかった色を呈していた。
外務大臣の死
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
デモ土蔵の白壁はさすがに
白
(
しろい
)
だけに、見透かせば見透かされる……サッと
軒端
(
のきば
)
近くに羽音がする、
回首
(
ふりかえ
)
ッて観る……何も
眼
(
まなこ
)
に
遮
(
さえぎ
)
るものとてはなく、
唯
(
ただ
)
もう
薄闇
(
うすぐら
)
い
而已
(
のみ
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それから後でも七斤は日々に入城したが、家内はいつも
薄闇
(
うすぐら
)
かった。
風波
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
ニコライ堂の
内秘
(
ないひ
)
より、
薄闇
(
うすぐら
)
き
円頂閣
(
ドオム
)
を越えて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
庸三はいつごろまで仰向きになった目の上に「痴人の告白」を持ちこたえていたろうか、するうちに
目蓋
(
まぶた
)
が重くなって電燈を
薄闇
(
うすぐら
)
くして
睡
(
ねむ
)
った。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼等
(
かれら
)
の
各自
(
めい/\
)
が
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る
種々
(
いろ/\
)
な
隱
(
かく
)
れた
性情
(
せいじやう
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
室
(
しつ
)
の
内
(
うち
)
にこつそりと
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
表現
(
へうげん
)
されて
居
(
ゐ
)
た。
女房
(
はようばう
)
の
言辭
(
ことば
)
は
悉皆
(
みんな
)
の
顏
(
かほ
)
を
唯
(
たゞ
)
驚愕
(
おどろき
)
の
表情
(
へうじやう
)
を
以
(
もつ
)
て
掩
(
おほ
)
はしめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
卯平
(
うへい
)
は
與吉
(
よきち
)
が
靜
(
しづ
)
かに
成
(
な
)
るまでは
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
つた
儘
(
まゝ
)
おつぎの
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いて
薄闇
(
うすぐら
)
い
手
(
て
)
ランプに
其
(
そ
)
の
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らせて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
葉の黄ばみかかった桜や
銀杏
(
いちょう
)
の
梢
(
こずえ
)
ごしに見える、蒼い空を秋らしい雲の影が動いて、目の下には
薄闇
(
うすぐら
)
い町々の建物が、長い一夏の暑熱に倦み疲れたように
横
(
よこた
)
わっていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄汚
薄氷
薄墨