“柚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆず78.8%
21.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大菩薩峠を下りて東へ十二三里、武州の御岳山みたけさんと多摩川を隔てて向き合ったところに、ゆずのよく実る沢井という村があります。
柚餅子ゆべしのやうな菓子には、鉄斎が洒脱しやだつな趣をもつたゆずの絵を描いて居た。柿羊羹を台にした菓子の中の紙には、石埭せきたいが柿の画に詩を添へて居た。
菓子の譜 (新字旧仮名) / 岩本素白(著)
かゆいところへよく届かす手は口をきくそのひまに、がたぴしさせずぜんごしらえ、三輪漬はの香ゆかしく、大根卸おろしで食わする鮏卵はららごは無造作にして気が利きたり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、有り合はせのならとちと桐としきみと柿と椎と松と杉とと桑とを詠み込んで見せたものだ。すると、大名はぜんまい仕掛の玩具おもちやでも見せられたやうに首をひねつて感心してしまつたといふことだ。
器用な言葉の洒落 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)