“寒色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんしょく33.3%
かんしよく33.3%
さむいろ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風が東南風いなさとみえて、寒色かんしょくの海の青さもさまでには覚えない。ざこ場の小屋にも人影がなく、海草や貝がらや、かにの甲羅などがに乾いていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
魔にみいられたる人よ、生命いのちはるかなるあたりに置き、故郷ふるさとへ急ぐ船にあるよなど思ひ、りやうの袖を胸の上に合せて、そこはかとなく歩みさふらふに、寒色かんしよくの波におもてはとどまる知らぬ涙を私に流さしめ申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
栗梅くりうめの紋お召の衿もとに白茶の半襟を浅くのぞかせ、ぬいのある千草の綴錦の帯を高めなお太鼓にしめ、羽織は寒色さむいろ縮緬の一つ紋で、振りから、大きな雪輪ゆきわの赤い裏がみえた。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)