寒色かんしよく)” の例文
魔にみいられたる人よ、生命いのちはるかなるあたりに置き、故郷ふるさとへ急ぐ船にあるよなど思ひ、りやうの袖を胸の上に合せて、そこはかとなく歩みさふらふに、寒色かんしよくの波におもてはとどまる知らぬ涙を私に流さしめ申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)