“夜食”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やしよく30.8%
やしょく23.1%
スウベ15.4%
ゆふげ7.7%
スウペ7.7%
ツッペ7.7%
レウェイヨン7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜食やしよくぜんで「あゝあ、なんだいれは?」給仕きふじてくれた島田髷しまだまげ女中ねえさんが、「なまづですの。」なまづ魚軒さしみつめたい綿屑わたくづ頬張ほゝばつた。勿論もちろん宿錢やどせんやすい。いや、あつものはず、なまづいた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この尾行者のあるのに気がついたのは、横浜はまの銀座といわれるあのにぎやかな伊勢佐木町いせざきちょう夜食やしょくり、フラリと外へ出た直後のことだった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その上へ博士が長い丸太をひきずり出して載せられる。僕は蕪形かぶらなりの大きな鞴子ふいごそれあふいで居た。その内に夫人は石卓せきたくへ持参の料理を並べて夜食スウベの用意をする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それには答へで、好し好し、もはや灯火ともしびき人〻も皆夜食ゆふげを終へたるに、汝のみ空言あだごと言ひ居て腹の膨るゝやらん、まづ/\飯食へと云ひて其竿を見るに、これもなか/\あしからぬ竿なり。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
夜食スウペの卓に胡桃が出ると、伊太利の大小説家は女に向いて云ひました、「恋は胡桃だよ、壊さなくちや味が解らない、さうでせう」
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
近衛騎兵のナルモヴの部屋で骨牌かるたの会があった。長い冬の夜はいつか過ぎて、一同が夜食ツッペの食卓に着いた時はもう朝の五時であった。
といい「なにしろ今日は、降誕祭クリスマス前夜のことだから、ひとりで夜食レウェイヨンをなさるのは、さぞ味気あじけないだろう。それに、妻も非常に希望しているから」
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)